機械や設備には、工程の番号と流れレイアウトが確認できる番号表示をせよ。
工場ではよく設備ごとにさまざまな情報が表示されています。例えば研磨とか溶接といった「工程の名称」であったり、あるいは機械の番号や取得年月日といったものですね。
しかし、以前ある工場で整頓活動をしていた時に、「工程表示をする必要がありますか?」と工場長に尋ねられました。「各工程の作業者は自分の工程が何なのかは知っているのですから特に表示の必要はないのではないでしょうか」というのが質問の理由でした。私の答えはもちろん「工程表示はするべきです」なのですが、その理由は2つあります。
1つは工場をショールームとしてお客さまに来ていただいて技術力や管理力をアピールしていただきたいのです。その時にお客さまがよりよく工場をご理解いただくために表示はあるべきだと思います。
そしてもう1つはお客さまのみでなく工場で働く全ての人に必要なことなのですが、「工程の順番と流れレイアウトを確認できる番号表示」です。
もし全部で8つの工程があるのでしたら、工程順に1/8から8/8までの番号札を付けることです。機械のレイアウトが番号通りに自然につながっていれば「流れている」とひと目で判断することができます。逆に番号が飛んでいたら流れが途切れているということが分かります。そうだとするとそこにはムダな動きが入っているはずと推測できます。
工程を番号表示すると、どういった流れで生産されているか誰にでもすぐに分かるし、どこに一番の問題があるかもすぐに分かるからです。
■著者プロフィール
【略歴】柿内幸夫 1951年東京生まれ。(株)柿内幸夫技術士事務所 所長としてモノづくりの改善を通じて、世界中で実践している。日本経団連の研修講師も務める。経済産業省先進技術マイスター(平成29年度)、柿内幸夫技術士事務所所長 改善コンサルタント、工学博士 技術士(経営工学)、多摩大学ビジネススクール客員教授、慶應義塾大学大学院ビジネススクール(KBS)特別招聘教授(2011~2016)、静岡大学客員教授。著書「カイゼン4.0-スタンフォード発 企業にイノベーションを起こす」、「儲かるメーカー 改善の急所〈101項〉」、「ちょこっと改善が企業を変える:大きな変革を実現する42のヒント」など。
一般社団法人日本カイゼンプロジェクト
改善の実行を通じて日本をさらに良くすることを目指し、2019年6月に設立。企業間ビジネスのマッチングから問題・課題へのソリューションの提供、新たな技術や素材への情報提供、それらの基礎となる企業間のワイワイガヤガヤなど勉強会、セミナー・ワークショップ、工場見学会、公開カイゼン指導会などを行っている。
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https://www.kaizenproject.jp/