イリソ電子工業の、ロボットによる組み立てで発生する工程内不良に対応したソリューション「ロボット組立適合コネクタ」=写真=が、日本機械学会「2021年度日本機械学会優秀製品賞」を受賞した。
同製品は、「フローティングコネクタ」、「Auto I-Lock」、「2点接触コネクタ」の3つの技術を生かした製品群で、ロボットよる組み立て品質、生産タクトの安定化を実現している。
フローティングコネクタは、コネクタ本体が実装された基板上で動くためのバネを有し、組み立て時に生じる基板位置ズレを吸収してはんだ付部のストレスを軽減し、組み立て性の向上に貢献。Auto I-Lockは、コネクタ内部の左右両側にFPCを保持する金属部品を有し、FPCを挿入しただけで嵌合から固定まで自動完了。
これによりロボットの動作をシンプルにでき、ミスアライメントでの嵌合不具合を激減。今までは難しいと考えられていたFPC/FFCカードのロボット組み立てを可能とした。2点接点コネクタは、同一線上に2つの接点をもち、コネクタ嵌合時に相手側に異物が侵入していた場合も前段の接点が確実にかき出し、後段の接点による健全な接続を確保できる。これによりさまざまな組み立て環境への対応を可能となる。
製造業における労働人口の減少が懸念される中、ロボット組立適合コネクタを構成するこれらの技術が、組み立て自動化を推進しロボティクス分野の発展に大きく貢献するものと評価された。