横河ソリューションサービスは、大阪市水道局とともに「シミュレータとAI技術を活用した運転支援、及び人材育成手法に関する共同研究」を2022年2月から開始した。
浄配水施設において、横河のシミュレーションとAIの技術によって得られる違和感検知、運転支援、部分的な自律化の効果の検証と評価を行う。またシミュレータを用いた効果的な人材育成手法の確立を目指す。
大阪市水道局では、事故発生などに対する即応性の向上を目指し、浄配水施設の運転監視を一元化できる集中管理体制の構築に取り組んできた。しかし、集中管理はより高度なスキルが運転員に求められます。そのため、異常の早期検知など運転員への支援がより効果的なシステムの構築、運転員一人ひとりのスキルを早期に高める育成手法の確立が必要になっている。
今回開始した共同研究では、横河のシミュレーション技術と、実際のプロセスデータ、分析データ、原水の解析データ、設備情報などを用いて、デジタルツインと呼ばれる仮想プラントを構築。このデジタルツインと実際のプラントのデータとの比較を行い、シミュレーションの精度を高め、実際のトラブル発生時などに連動して事前にAIによって違和感の検知ができるかを検証。さらに違和感検知後の重要指標の予測や適切な運転指示ができるか、部分的な自律化が可能かを検証していく。また、シミュレータに搭載されているインストラクター機能を用いた効果的な人材育成手法の確立にも取り組む。共同研究を24年3月末まで行う。