世界をリードする日本のロボット産業。市場規模は1兆円を超え、今や国内・輸出を担う重要産業にまで成長している。日本機械連合会(日機連)は「2021年度ロボット産業・技術振興に関する調査研究報告書」を公開し、日本のロボット産業・技術のいまとこれからについてまとめている。
「2021年度ロボット産業・技術振興に関する調査研究報告書」は、3月25日に公開され、誰でも無料で閲覧することができる公的資料。全124ページにわたって産業用ロボットとサービスロボットの市場や技術動向、ロボット産業の課題とそれに対する取り組みなどを紹介している。内容は7章立てで、第1章で調査事業の目的を説明し、第2章からが具体的な内容となる。
第2章は、産業用ロボットとサービスロボットの市場動向を解説し、加えてものづくり、サービス、高度ICT、介護・医療健康、インフラ・災害対応、農林水産・食品といった各分野におけるロボットの活用事例と傾向を紹介。製造分野でのロボットハンドや精密作業を行う事例のほか、サービス産業における配膳ロボット、介護や見守りロボット、ドローンを使ったインフラ老朽化点検の様子などを伝えている。
第3章は、ロボットシステムを作り、導入し、現場で使いこなすためのサポーターとなるロボットシステムインテグレータ(SIer)にスポットを当てている。各地域におけるロボットSIerの取り組みやFA・ロボットシステムインテグレータ協会の活動や人材育成を紹介している。
第4章では、新たな産業分野でのロボットの活躍や社会課題解決の役割に触れている。
ロボットフレンドリーな環境構築のための活動やコロナ禍における医療機関でのロボット活用、深海探査のための水中ロボットなど、ロボットの活用範囲の拡大について触れている。
第5章はロボットの国際大会WRS2020(ワールドロボットサミット)の様子と振り返り、第6章と第7章はロボット大賞の紹介となっている。
同書は、日機連のホームページから無料で入手できる
http://www.jmf.or.jp/houkokusho/2918/2929.html