日本航空電子工業は、EV用コネクタの課題となっていた電気接続部の銀めっき膜の摩耗を大幅に抑制する新技術「wearzerO」を開発した。
EVの充電時間短縮のためには大電流を流す必要があり、通常は電気抵抗の低い銀めっきが使われるが、銀めっき膜はやわらかく、繰り返し嵌合などによって摩耗して電気特性や挿抜特性が悪化するという問題があった。それに対し同技術は、銀めっき膜の摺動部に特殊な界面構造を形成することによって、銀めっき膜の摩耗の原因となる銀同士の凝着を制御する。これにより電気伝導を妨げない程度に銀めっき面同士が接触する一方、摩耗が進行しないように離脱を繰り返すため、高い導電性と耐摩耗性を両立させるコンタクトを実現することができる。
高い導電性と耐摩耗性を両立する端子を実現するほか、めっき材の省資源化やめっき工程の省エネルギー化、製品の長寿命化につながり、EV向け充電プラグや車載パワーライン系コネクタに適用し、製品化を進める。