オムロンの特例子会社で、日本で初めての福祉工場であるオムロン太陽は、2022年4月8日に創業50周年を迎えた。
同社は、オムロン創業者の立石一真氏の「企業は社会の公器である」という考えと、太陽の家創設者の中村裕医学博士の「世に身心障がい者はあっても、仕事に障がいはあり得ない」という理念が共鳴し、1972年にオムロンと太陽の家の共同出資により、電子部品を生産する福祉工場として設立。現在72名の社員のうち、33名の身体・知的・精神障がいのある社員が、制御機器用のソケットや、サムロータリスイッチをはじめとする各種スイッチやセンサーを生産している。
創業以来、社員個々人のハンディキャップに適応した配置や製造現場の工程の自動化や治具を使った工程改善などさまざまな工夫を積み重ね、障がいの有無に関わらず、誰もが働ける職場・環境づくりを行い、社員の個性や能力が存分に引き出せる職場づくりを推進している。
現場起点の改善提案活動の件数は、2011年度からの10年間で1361件にのぼり、年間約2000名の工場見学者を受け入れ、障がい者雇用を推進する企業や行政機関と共に、障がいのある人の就労機会の創出と活躍機会の拡大に取り組んでいる。