日立製作所は、属人的な業務ノウハウをデジタル化し、既存システムに散在するデータを統合的に管理して、適切なタイミングでユーザーに自動提供する情報一元管理プラットフォーム「WIGARES(ウィガレス)」を発売した。
同製品は、「構造化ID」「関係リンク」「自己学習」を使って業務ノウハウのデジタル化を実現するプラットフォーム。DCSやMES、設備管理システム、予兆検知システム、ファイルサーバーなどの業務システムが持つ計装の信号情報、アラーム・イベント情報、CSVや表ファイルのレコード、文書ファイルなどの各データに「構造化ID」と呼ばれる識別子を付与することでデータの意味合いを定義。合わせて、この「構造化ID」を業務シーンに結び付けて定義する「関係リンク」によって業務ノウハウをデジタル化。
これによりユーザーは、「業務Xを行うためには業務情報A・B・Cが必要で、A→B→Cの順番でデータを参照し業務を遂行する必要がある」といった迅速な通知とそれらのデータをWIGARESから自動で取得できるようになる。具体的には、アラームやイベント、故障予兆などの事象発生をトリガーとして、関連する業務情報がプッシュ通知で報告され、必要なデータを適切なタイミングで参照しながら業務を行うことができるようになる。
「関係リンク」が登録されていない事象に対しては、WIGARES上の検索機能を使い、「構造化ID」が付与されている任意のデータを検索することができる。さらに「自己学習」機能により、検索結果から自動で「関係リンク」を定義でき、次に同一業務を行う際には検索することなく必要な情報を参照することが可能となる。
情報提供はユーザーごとのニーズに応じて設定でき、経営者向けには運転効率分析、アラーム対処状況管理表など、製造部門向けには運転データ、運転操作標準書、運転日誌など、保守作業者:故障履歴、機器図面、部品台帳などを通知できる。