FA機器メーカー、FA・機械商社は好業績となり、2021年のFA・制御機器市場は好調のまま明るい1年となった。市場概況でも、日本電機工業会(JEMA)による産業用汎用電気機器の出荷実績、日本電気制御機器工業会(NECA)の出荷統計は、いずれも過去最高だった2017年度に迫る結果となった。22年は部品不足による納期遅れと受注の積み残しによって好調は持続する見通し。一方で、23年は旺盛な自動化需要と設備投資は期待しながらも、市場急拡大の反動で踊り場、横ばいの懸念もあり、油断できない年になる。
2021年度のJEMAの産業用汎用電気機器の出荷額合計は、前年比18.2%増の9104億円となり、4年ぶりのプラスとなった。10年度以降では17年度の9224億円に次ぐ過去で2番目の数値となった。20年度はコロナ禍で低調だったが、21年度は半導体や電子部品関連業界の設備投資が回復を引っ張った。
サーボモータ、インバータなど回転駆動機器は26.2%増の3469億円。PLCや電磁開閉器など配電・制御機器は15.1%増の3732億円となった。
NECAの出荷総額は、18.7%増の7214億5600万円。こちらも17年度の最高額に続く2番目の数字となった。
大品目別では、操作用スイッチ、検出用スイッチ、制御用リレー、PLC/FA、制御用専用機器の5大品目全てで100%超えの二桁増。操作用スイッチは20.9%増の456億3400万円。検出用スイッチは18.7%増の1196億7700万円、制御用リレーは20.7%増の1742億5100万円で過去最高を記録。PLC/FAは18.3%増の2525億6100万円。制御用専用機器は16.4%増の1293億3300万円で過去最高となった。
仕向地別では、国内は20%増の4217億4000万円となり、3年ぶりに100%を超えた。半導体製造装置や自動車、ロボット、工作機などの回復が加速するともに、DXやカーボンニュートラルへの積極投資もあいまって市場が急拡大した。
輸出は17.0%増の2997億2000万円。輸出比率は41.5%となった。欧米、アジアいずれも急激な回復を見せており、北米は3.6%増の438億4800万円、ヨーロッパは25.1%増の624億2100万円。APACは18.4%増の1930億5400万円。うち中国は14.4%増の732億800万円となり、過去最高額となった。