ルネサス エレクトロニクスは、マイコンボードなどオープンソースのハードウェア/ソフトウェア大手のArduinoに1000万ドル(13億円)を出資した。
Arduinoは、教育用や電子工作などのホビー向けに、電気電子やプログラムの知識がなくても簡単に電子製品を試作できるマイコンボードやプラットフォームを提供し、世界中の開発者コミュニティで使われている。近年はプロフェッショナル向けにも製品領域を拡大している。ルネサスは今回の出資によりArduinoへの製品搭載を進めていく。
■以下はルネサスの発表資料
~ArduinoのシリーズBラウンド資金調達に10百万米ドルを出資し、ルネサス執行役員Chris AllexandreがArduinoの取締役に就任予定~2022年6月14日
ルネサス エレクトロニクス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長兼CEO:柴田 英利、以下、 ルネサス)は、オープンソースのハードウェア/ソフトウェアを提供する世界大手のArduino(Co-founder, Chairman and CMO:Massimo Banzi)によるシリーズBラウンドの資金調達に参加し、10百万米ドル(1米ドル130円換算で約13億円)を出資しました。Arduinoとの連携強化により、世界中の開発者コミュニティで使用されているArduinoのエレクトロニクスプラットフォーム(マイコンボード)へのルネサスの幅広い製品群の搭載を図ってまいります。
Arduinoは創業以来、エレクトロニクスやプログラミングの知識がない学生でも、簡単にエレクトロニクス製品を試作できるよう設計されたボードを提供してきました。昨今は、教育用途に加え、プロフェッショナル向けにも製品提供を拡大しており、新世代のプロエンジニアが企業規模のアプリケーションを容易に開発できるよう支援しています。先日同社は、ハードウェア、ソフトウェア、コネクティビティ、開発ツールの製品群をメイカーズ(ホビー向け)や学生を超えて、プロユース、企業向けに提供を拡大することを発表しました。これは、革新的なArduinoボードが特徴とするスピード、シンプルさ、パワーを企業向けにも提供することを企図したものです。
ルネサスにとってArduinoとの連携は、世界中の開発者がオープンソースのArduinoボードを使えるようになることで、より幅広い顧客にリーチするというグローバル戦略を補完するものとなります。Arduinoが企業向けの製品提供を拡大できるよう、ルネサスは、Arduinoによる総額32百万米ドル(1米ドル130円換算で約41.6億円)のシリーズBラウンド資金調達に10百万米ドルを出資しました。さらに、この出資によりArduinoは、MCU/MPU、アナログ、パワー、コネクティビティなど、業界をリードするルネサスの製品ポートフォリオを通して、より高度な技術を使えるようになります。ルネサスにとっても、世界中3,000万人からなるArduinoの開発者コミュニティの新たな顧客にリーチできるようになります。そのため、今回の出資は、ルネサスがマスマーケットで事業を拡大させる戦略の一環として、重要なものと位置づけています。
ルネサスの執行役員 兼 IoT・インフラ事業本部 ユニット長(グローバルセールス、コーポレートデジタルマーケティング担当)のChris Allexandreは、次のように述べています。
「Arduinoの新たな戦略に参加し、ルネサスの広範なテクノロジー、ツール、顧客層へのアクセスを提供することで、彼らにより多くの可能性を提供できることをとても嬉しく思います。Arduinoのオープンソースのテクノロジーをさらに高め、プロのエンジニアがより容易にArduino製品を使えるよう、協力できることを楽しみにしています。」