ルネサスエレクトロニクスは、ACサーボモータや産業ロボット向けに、高速・高精度なモータのリアルタイム制御と、TSN対応の最新の産業ネットワーク通信を1チップで実現し、機能安全にも対応したハイエンドモータ制御用MPU「RZ/T2M」を発売開始した。
最大動作周波数800MHzのArm Cortex-R52を2個搭載。CPU直結の専用バスにモータ制御で使われる周辺機能を配置してCPUから低遅延でアクセス可能。加えてCPUに密結合した大容量メモリ(576KB)を搭載し、キャッシュメモリの使用で起こる実行時間のブレを低減し、確定的な高速応答処理を実現。リアルタイム制御で高性能化が求められているACサーボ、インバータ、ロボットを高速かつ高精度に制御することを可能とした。
EtherCAT、PROFINET RT、EtherNet/IPなどの主要な産業ネットワーク通信プロトコルに加え、新たにPROFINET IRTにも対応。TSN規格に対応したイーサネットスイッチも搭載し、複数機器を高精度に同期させて動作させることが可能となっている。
また機能安全についても、機能安全処理を考慮したハードウエア構造で機能安全用のマイコンを一つ外付きするだけで、モータ制御とネットワーク通信と並行して機能安全処理を実装可能。さらに、2022年中には自己故障診断を行う「認証済みセルフテストソフトウェア」やマイコン二重化構成に必須の相互診断、SIL3認証を取得したソフトウエアを含む「SIL3システムソフトウェアキット」などの機能安全ソリューションの提供を予定している。