6月30日から7月2日まで愛知県の愛知県国際展示場(アイチスカイエキスポ)で行われた、産業用ロボットと自動化システムの専門展示会「ロボットテクノロジージャパン」に参加してきた。ロボットのなかで産業用に特化してターゲットを絞り、かつ自動車を中心とした日本の製造業の中心地である愛知県・東海地方での開催ということから、行く前から期待値は高かったのだが、実際の現場を見たら想像をはるかに超えて素晴らしく、いろいろと刺激を受けた。
まず良かったのが来場者と会場の雰囲気。コロナ禍の警戒感も冷めやらぬなか、かつ天候は酷暑で来場者数は心配されたが、ふたを開けてみたら初日から目標の150%に迫る勢いで多くの来場者でにぎわっていた。そこではコロナ以前の活況な展示会の光景が再現され、「戻ってきた」という実感を得た。加えて来場者の質も非常に高く、作業着を来て同僚と連れ立って来ているグループをいたるところで見かけ、各ブースで話しているところに小耳を立てると、その中身はとても濃い内容で、まさに工場や製造現場の「ユーザー」が多く集まっているのを感じた。また出展者側も土地柄や来場者に合わせたアプリケーション寄りの展示やデモ機が目立ち、特に既存設備とロボットを連携させ、今の現場の生産性を上げていくような展示が多かった。東京の大規模展示会でありがちな、ちょっと関連性が薄い来場者に対して、派手にショーアップ化して魅せるような風ではなく、使う人・売る人のコミュニケーションの場となり、楽しそうに技術談義を交わし、会場全体が地に足の着いた形の有意義な空間になっていてとても親近感が沸いた。
製造業界は値上げや納期遅れ、工場停止など多くの問題に直面し、ともすればマイナスの雰囲気に飲み込まれそうになるが、製造業の中心地で感じたこの熱気、元気は、日本の製造業の底力と未来への可能性を感じさせるに十分なパワーを与えてくれた。昔から「展示会は業界のお祭り」というが、今回はまさにそんな感じで、参加者全員に良い刺激を与え、良い区切りとなり、次の仕事に向かうための切り替えスイッチとなってくれたのではないだろうか。製造業のお膝元がロボットで大盛り上がりを見せたことで、これからさらにロボット・自動化業界が盛り上がり、それが全国に波及していくことに期待したい。