NTTは、フィールド環境において敷設済の光ファイバケーブルと光伝送装置を用い、多種の故障の予兆を検知し予兆パッケージ部位を推定する技術を世界で初めて実証した。
従来、保守運用には活用されていなかった光信号特性情報をきめ細かく収集、解析することで、サービス影響前・警報発出前の故障の予兆から、故障交換対象となる光伝送装置のパッケージ単位までの部位特定を高精度に行うことに成功した。
本実験では、敷設済の光ファイバケーブルと光伝送装置を用いた実験構成に、複数のパッケージ部位に対して複数の故障予兆を模擬する模擬系と光信号特性情報を収集・解析する新規機能部を組み入れて実験を行い、実運用環境と実装置挙動による光信号変動を加味しても故障予兆の部位特定が可能であることを実証した。
本技術は、光パスを終端し信号処理を行うDSPから多くの光受信信号の解析情報と、新たに光パスの各中継区間からも光スペクトル情報や、光信号品質(OSNR)などの情報を収集し、受信端点情報と光伝送網構成情報と組み合わせて解析を行うことで、高精度の予兆部位特定を実現する。
これにより、従来のパフォーマンスモニタ情報だけでは検知が困難な光信号の特性変化も予兆として捉え、特定粒度をパッケージ部位までとした予兆部位特定が可能であることが確認できた。