アズビルの2023年3月期第1四半期連結決算は、売上高が前年同期比4.8%増の560億6300万円、営業利益は26.6%減の21億6600万円、純利益が2.1%増の20億7100万円。売上高はAA事業が部品調達難によって一部製品で売上計上が進まなかったが、BA事業とLA事業の増加によって伸長。営業利益が研究開発費の計上と部品調達難に対する費用や経費増加によって減少したが、為替の影響等で純利益が増加し、結果として増収増益となった。
また受注は、LA事業は1000年の反動で減少したが、BA事業が首都圏の再開発案件、AA事業での半導体製造装置等の堅調な需要と海外事業拡大で増加し、5.4%増の928億5600万円となった。
セグメント別では、BA事業の売上高は8.7%増の235億円、セグメント利益は前年のマイナス4億円から回復した。売上高は、前年度末の受注残を背景に新築大型建物向けと既設建物向けが増加した。
AA事業は、売上高は3.4%減の211億円、セグメント利益は39.5%減の20億円。部品調達難で一部製品の売上計上ができずに減収となり、セグメント利益も減収影響と部品価格上昇の影響で減少した。
LA事業は、売上高は14.3%増の117億円、セグメント利益は前年と同水準。前年度のライフサイエンスエンジニアリング分野での受注増加を背景に売上高は増加したが、素材価格やエネルギーコスト、輸送費等の増加の影響でセグメント利益は前年並みに止まった。
海外エリア別売上高では、海外売上高は18.1%増の127億円。BA事業は、アジアでコロナ禍による建築計画の順延や工事遅延から回復して増加。AA事業は、半導体・5G関連設備投資がアジア・北米で増加した一方で、中国で部品調達難により納期長期化と売上計上が進まなかった影響で前年同水準となった。LA事業はライフサイエンスエンジニアリング分野が前年度の受注増加を背景に増加した。
2023年3月期通期業績予測は変更なし。売上高は7.2%増の2750億円、営業利益は5.6%増の298億円、純利益は3.4%増の215億円を見込む。
また、計画達成に向けてポイントとなる部品不足や価格高騰対策として、部品・部材確保体制の強化と代替品への切り替え、製品設計の変更のほか、調達状況に合わせた柔軟な生産の仕組みの整備、供給市場の改善を見据えて受注残を着実に売り切るための生産能力の強化、収益力強化のための生産効率化と販売価格適正化を進める。