製造業の新入社員の成長意欲が低い?先輩社員が殻を破って挑戦する姿を見せろ

製造業の新入社員は、本当に成長意欲が低いのか?ラーニングエージェンシー(旧トーマツイノベーション)とラーニングイノベーション総合研究所が行ったアンケート調査「新入社員意識調査(製造業編)」によると、製造業の新入社員は「スキルアップのために何か特別なことをしているか」という質問で、「特に何もしていない」が34%となり、他の業種よりも7ポイント以上も高かったそうだ。データが示されている以上、ぐうの音も出ないが、本当にそうだとしたら残念かつ将来が心配になる。

同じ調査の別業界、例えば情報通信業界、IT業界ではスキルアップのために、インターネットや学習アプリのサービス利用やビジネス本を読んでいたりと成長意欲が高いそうだ。IT業界には資格の種類が多く、それを学ぶサービスや書籍が豊富にある。しかも一度取得すれば一生有効なものではなく、数年で陳腐化してしまう。ステップアップだけでなく、その業界で生き残るには常に学ぶ必要があり、成長意欲の高さはそうした背景も大きく影響している。

加えて、IT業界は少々の技術の幅はあっても基本的には情報通信に関わる同一業界の大きなまとまり。そこには教育サービスの大きなパイが存在し、そこ向けに多くのビジネスが展開されている。

一方の製造業は、「モノを作って売る」という共通項でひとくくりにされるが、実態は自動車や電気、機械、化学、食品など細かく分かれた業界の集合体。業種や工程も様々で、そこに必要な知識や技術は星の数ほどある。また教育はOJTが中心で、教育ビジネスも十分ではない。他業界に比べて製造業の学ぶ環境は貧弱だ。

製造業の新入社員の成長意欲が他の業界の同世代に比べて低いというのは、データが示す事実。厳しい言い方をすれば、成長意欲が低く、安定した生活を送っている先輩の姿を見て、そうした姿を見て憧れる若者が入ってくる業界になっている。これでは破壊的で革命的なイノベーションを起こし、新たな成長曲線を導き出すのは難しい。いま私たちができることは、そうした安穏の殻を破り、成長意欲溢れ、チャレンジする姿を若者に見せること。「まず隗より始めよ」だ。

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