第10回日本ロボット大賞の受賞ロボットが決定し、全部門、全分野を授賞対象とする経済産業大臣賞にオムロンのモバイルロボット「LD/HDシリーズ」が選ばれた。
同製品は、人や障害物を回避しながら走行できる自動運転機能を持ち、管理ソフトで最大百台まで一括管理できるAMR。導入ルートを走って周囲環境をスキャンしてマップを自動生成し、ロボットに不慣れなユーザーでも簡単に搬送を指示できるなど、導入&使いやすさが特長となっている。審査では、AMRプラットフォームとして完成度が高く、すでに40カ国3000台の実績があり、SIerと連携することで今後幅広い分野への適用が期待できると高く評価され受賞にいたった。
中小企業・ベンチャー企業賞の惣菜盛付ロボット「Delibot」(コネクテッドロボティクス・TeamCrossFA)は、惣菜業界の盛り付け工程をサポートするロボットシステム。高額で専門的になりがちな画像を使わず、センサとロボットの動きのみで不定形の食材盛り付けを実現しており、ロボット専門家のいない現場での使いやすさの工夫が多く盛り込まれている点と、生産性が低く、自動化が進んでいない食品産業へのフォーカスが評価された。
また記念特別賞の北陽電機の移動ロボット用の小型軽量な測域センサURGシリーズは、2006年の第1回ロボット大賞優秀賞受賞以来、現在までに40万台以上の実績を重ね、自律移動型ロボットの目として定番になっている製品で、ロボット活用分野の裾野拡大と業界の発展寄与が高く評価された。