日本政策金融公庫の「中小製造業設備投資動向調査」によると、2022年度の中小製造業の国内設備投資額は前年比19.7%増加の2兆7237億円となった。4月に実施した22年度当初計画よりも増加し、特に生産装置が大きく増加している。その背景には、需要が急増して生産要請が強い半導体製造装置やロボット関連が牽引していると見られている。
調査は全国の従業員20人以上300人未満の中小製造業5万1610社を対象とし、4月と9月の年2回実施し、今回は6601社の回答を得た。2022年度の国内設備投資額は19.7%増の2兆7237億円で、上半期は24.5%増の1兆2332億円となり、下半期は16.1%増の1兆4904億円になった。コロナ禍前の17年18年と同水準まで戻ってきている。
業種別では、全17業種中13業種で増加。前年からの伸び率で最も大きいのが生産用機械の54.8%増(3216億円)。印刷・同関連が51.2%増(884億円)、鉄鋼が38.6%増(1451億円)と続く。設備投資の合計額が大きな産業では、食料品が19.4%増(4094億円)、金属製品も27.9%増(3309億円)、電気機器は19.0%増(2144億円)と活況だが、自動車など輸送用機器は2.4%減(1926億円)、化学も2.4%減(1805億円)とマイナスとなった。
設備投資の内容は、機械・装置が29.0%増の1兆5508億円、建物・構築物が16.8%増の8104億円となり、土地は7.9%減の1580億円。
設備投資の目的では、「更新・維持・補修」と「能力拡充」の構成比が3割を超えているが、一方で「新製品の生産や新規事業への進出、研究開発」と「省エネルギー」を目的とした回答が多く、特に前者は2割近くまで構成比を高めている。
FA・制御業界にとっては、設備投資の増加はイコール受注獲得のチャンスとなる。FA・制御機器の納期遅延という逆風はあるが、一部製品・メーカーでは改善や良化したものもあり、提案を強化する必要がある。