FA・配電制御機器は今も入手困難な状況が続いているが、一部製品やメーカーでは納期は改善に向かうものが出ており、少しずつだが出口が見え始めた。
三菱電機は、主要機器で納期改善が明確になってきた。PLC・シーケンサは、MELSEQ Qシリーズは8月に4−12カ月だったものが2−9カ月に、iQ-Rシリーズも5−10カ月から5−9カ月と良化し、Lシリーズ、iQ-Fシリーズ、Fシリーズいずれも概算納期は短縮されている。表示器GOT2000シリーズも4~12カ月ほどかかっていたものが1・2カ月ほど短くなり、納期12カ月以上の1年待ちだったサーボも最長でも12カ月と改善。8〜10カ月ほどとなっている。このほか三相モータも8カ月から7カ月に、ギヤドモータも全容量で1カ月ほど短縮されている。
オムロンは、8月時点では押しボタンスイッチの納期は概ね6カ月以上、リレーやソケットは3〜6カ月以上となっていたが、一部機種で良化。照光式押しボタンスイッチのA3Pが6カ月以上から1〜3カ月に、リレーでもソリッドステートリレーのG3TAは3〜6カ月だったものが1〜3カ月に、ターミナルリレーのG6D4も6カ月以上から3〜6カ月、ソケットのPTFも3〜6カ月から1〜3カ月と改善に向かっている。
富士電機機器制御でも電磁接触器・電磁開閉器、サーキットプロテクタ、操作表示機器、タイマーなどの一部で納期が短くなっている。電磁接触器・電磁開閉器のSKシリーズは概ね3〜4カ月のところが一部で2〜3カ月に、サーキットプロテクタは1〜2カ月だったのが半月から1カ月半程度に良化している。
日立産機システムでも開閉器・遮断器の納期が改善傾向。例えばヒューズフリー遮断器は多くの機種で最大3カ月から2カ月に、電磁接触器、電磁開閉器の標準形も最大3カ月から2カ月となっている。
納期改善の背景について、半導体や部材不足や遅れは依然続いているが、それも少しずつ改善傾向にあることに加え、世界的にコロナ禍が小規模になり、製造と物流が動いていることが大きい。またオムロンのように自社生産だけでなく、EMSなど外部製造パートナーを利用した生産能力の増強や、設計変更で調達と生産を容易にするなどの地道な積み重ねが良化を招いている。
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