主要FA・機械商社の2023年3月期上期決算が出揃った。半導体製造装置を中心に設備投資意欲は高く、自動化需要は堅調で、12社中10社が増収増益となった。部材不足による納期遅延は続いているが、少しずつ解消に向かっており、先行きの不透明さや悲壮感は薄れている。
菱電商事は、サプライチェーンの混乱が続く中でも半導体製造装置、工作機械など装置メーカー向けのサーボ・CNC需要が好調で、自動車やエレクトロニクス関連の設備投資案件も堅調に推移した。
立花エレテックもFA機器は納期問題で苦戦したが、半導体製造装置や物流関連が好調で、PLCやサーボ、配電制御機器、センサが大幅伸長。
サンワテクノスは半導体関連・自動車関連・太陽光関連などの積極的な設備投資を捉えて好調。納期遅延を見越して部材の先行手配も継続し、需要を逃さずに捉えることができた。
カナデンは、FA分野は納期長期化の影響を受けたが、製造業の設備投資は引き続き旺盛で、駆動制御機器が順調に推移。また産業メカトロニクス分野のレーザー加工機の案件が増加した。
たけびしは、FA機器は半導体製造装置向けに、産業メカトロニクスが5G関連で増加。ASEANの子会社も好調に推移。
明治電機工業は、部材の納期遅延の影響を大きく受け減収減益。
スズデンは半導体製造装置メーカーでの需要を獲得し、部材の供給体制も回復の兆しが見えてきたとしている。