中央電子(東京都八王子市)は、「CECプライベート展2022(リアル+リモート)」を同社営業センター(八王子市)内に開設しているショールームで12月16日まで開催している。
同社は理化学研究所をはじめとする公的研究機関や企業・大学等の先進的な取り組みを技術で支え、解決する研究開発型製造業。要望に応じたワンオフや一品もの、カスタム対応を得意とする。今回はDXのキーテクノロジーであるクラウドやエッジAI技術について、コンセプト展示だったものを今年は実機に組み込んで具現化した製品・ソリューションを展示・紹介している。
会場内は製品・ソリューションごとにセキュリティ、環境監視、ラック・カート、計測・制御の4つのゾーンがあり、さらに次のトレンドを見据えた新規技術ゾーンの合計5つを設定。
セキュリティゾーンと環境監視ゾーンでは、入退室管理とCO2濃度や温度等の環境監視、ラック扉錠を一括管理ができる新たな統合管理ソフトウェア「Acsaran-DX」を基盤とし、そこに紐づくハードウェア・ソリューションを展示。接点入出力から汎用アナログ入力、電流入力、温湿度、マルチメータなどと接続して現場で環境監視を行いつつ、クラウド環境にも対応する環境監視装置「DTシリーズ」をはじめ、専用コントローラが必要なく、カードリーダだけで制御ができる入退室システムのEthernet対応カードリーダ新製品などを展示している。
ラック・カートゾーンでは、顧客の要望に応じたオリジナルラックを中心に、カスタムや特殊ラックを展示。静音ラックは吸排気性能を向上させて熱対策を万全にしながらも、22から26dB(A)の騒音を減衰可能。オフィスや研究所、大学等で、限られた空間でオンプレでサーバを運用したい用途に最適となっている。カートでは、医療機関向けの特殊カートを展示し、絶縁トランス付きで内視鏡設置に最適な医療用トランス付カート、遠隔医療向けにカメラポジションを自由に調整できるロングアーム付きの術野カメラシステム用カート等を紹介している。
計測・制御ゾーンでは、受託事業として自動車の最終検査ライン構築や、半導体製造装置等に組み込まれている独自開発のEtherCATボード等の事例を紹介。高精度温度測定技術や推論モデルを組み込んだAI基板も参考展示している。
新規技術開拓部ゾーンでは、理化学研究所が運営するSPring-8の設備保全のためのデータ収集とビッグデータ解析の支援事例をはじめ、産学連携の開発成果を紹介。また先を見据えた研究開発テーマとして、DX実現のためのキーテクノロジーと見込まれている3つの技術、AIと高周波技術、RISC-VオリジナルCPU開発、IoTリモート給電も紹介している。