【2023年 年頭所感】一般社団法人 日本電気計測器工業会(JEMIMA)会長 曽禰寛純 新たな潮流の最先端を走る

会員の皆様、新年あけましておめでとうございます。

2023年の年頭にあたり謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

新型コロナウイルス感染拡大から3年目となり、感染症に適応する社会や企業の取り組みも進んでおりますが、新たな変異株による拡大や国際的なコロナ禍・東欧の情勢などによるエネルギー価格の高騰、製品生産のための原材料の供給不足、円安影響を含む物価上昇など、世界的な経済への影響懸念が強まっており、月例経済報告でも経済社会活動が正常化に向かい、景気が持ち直していくことが期待される一方で、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等による下振れリスクに十分注意する必要があるという状況です。

当工業会におきましても、国内外での事業展開や生産・サービスでの対応においては厳しい環境が続いておりますが、経済産業政策においてもこのような環境への対応をし、将来に向けたCN(カーボンニュートラル)社会の実現とDX(デジタル・トランスフォーメーション)によるデータ主導のデジタル社会の実現という大きな展開を進めるために必要となる状況把握や管理データの創出に無くてはならない「計測・計量、制御」という当工業会のコア技術への需要は引き続き活発に推移しております。

輸出および海外拠点の売上を含む電気計測器の2022年度の売上は、大きく伸長した先期2021年度実績を超え、8,753億円(前年度比+0.5%)を見込んでおり、2022~2026年度の電気計測器の中期見通しも、年平均成長率+1.7%で推移すると予測しております。会員各社のみなさまの経営努力に感謝するとともに、継続的に当工業会の活動に多大なるご支援・ご参画、ご尽力を頂き、心より御礼申し上げます。また、経済産業省をはじめ、関係省庁、関連団体の皆様には、当工業会の活動を日頃よりご支援いただき感謝しております。

このような大きな変化を見据え、当工業会では2021年度から①ニューノーマル時代のDX推進による工業会活動の進化、②データ社会を支える計測技術の技術革新・進化、③繋がるJEMIMAへ、の3つの基本方針を定め取り組みを進めて来ました。

第1の「ニューノーマル時代のDX推進による工業会活動の進化」に関しては、工業会横断のタスクフォースを中心に活動を進め、多くの委員会でのテーマとして、また工業会自身の活動(委員会、展示会)へのDXとしての対応が進みました。2021年よりDXに関する会員向け講演会を実施しました。内容も経済産業政策、会員会社におけるユースケースとして、事業展開に関するもの、自社の生産や業務に関するものをテーマに継続しており、毎回多くの参加者を得ております。また、将来のあるべき姿についての具体的検討や計測データの利・活用におけるデータ共有のユースケースについても具体的な検討を進めており、関連団体への提案も実施しております。

第2の「データ社会を支える計測技術の技術革新・進化」に関しては、計測・計量領域の技術革新を進めるとともに、DX推進との関連での取り組みも加速しております。国際標準であるIECへの対応の取り組みの強化を進め、また国内での電力DXを支えると位置づけられる次世代スマートメータの開発に関する国の方針・施策を背景とした電力会社からの委託研究を、昨年度に引き続き今年度も受託するなど活動が進んでおります。

第3の「繋がるJEMIMAへ」に関しては、JEMIMAでの活動は引き続きWebの活用で部会・委員会の繋がる活動を継続しました。また、JEMIMA主催の展示会で最大のイベントである計測展2022 OSAKAを「未来へ、持続(つな)げる。」をメッセージとして開催し、多くの関連団体との繋がりも深められました。特に、公益財団法人 計測自動制御学会(SICE)の協力による学生参加の共同企画や、SICE・日本電気制御機器工業会(NECA)との3団体での合同パネルディスカッションを新たな企画としてスタートし、これらを起点に委員会間での意見交換会や産学連携セミナーなどの開催がスタートしました。引き続き、多くの情報発信やネットワークの構築を進め「繋がるJEMIMA」を実践してまいります。

これからも、JEMIMA基本方針に沿って活動を展開し、新たな潮流の先端を走る工業会へと変革を進めることで、会員企業の皆様への価値提供と、会員企業の皆様を通じての社会への価値提供を推進してまいります。

日ごろ当工業会の事業運営にご協力いただいております各会員企業の皆様に、あらためて深く感謝申し上げますとともに、本年もなお一層のご支援とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げて、新年のご挨拶とさせていただきます。

https://www.jemima.or.jp/

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