明けましておめでとうございます。
皆さまには、健やかな新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。
さて、わが国をはじめとして世界経済は、ウィズコロナの下で、各種の対策や民間の取り組み効果もあり経済社会活動の正常化に向かいつつある中、徐々に景気が持ち直していくことが期待されています。ただし、昨年2月のロシアのウクライナ侵攻を契機とした資源高によるエネルギー供給不安、中国のゼロコロナ政策によるサプライチェーンの混乱、さらには世界的な金融引き締め等による海外景気の下振れなどの懸念材料もあります。政府においては、国民の命と暮らしを守りながら、産業界のニーズを踏まえた事業環境整備の基盤強化など経済の回復に向けた対策の充実を期待しております。
2021年度のわが国包装機械産業の生産実績は、新型コロナウイルスの感染拡大による不透明感から、設備投資計画の見直しや先送り等により、対前年度比0.9%減の4,269億円と前年度に引き続き減少となりました。また、2022年度の生産計画においても4,304億円と横ばいの見通しですが、今後、国内設備投資の自動化、省人化等の新たなニーズへの対応に加えて、成長する海外市場においても、これまで以上に市場ごとの国際化対応が求められてきています。
ポストコロナ後の経済の見通しには不確実性がありますが、改めて包装業界は食品・医薬・日用品など世界の人々の生活に不可欠で重要な産業と言えます。特にこれまで以上に衛生意識の高まりから、より安全で安心な社会の構築のための役割が増しているものと思います。
一方で世界的な気候変動問題の高まりから脱炭素に向けた取り組みの動きも加速しております。包装業界としては、中でも関連の深いプラスチックに係る資源循環対策についてはユーザー業界、流通業界、消費者などすべてのステークホルダーの方々と協力しながら持続可能な社会実現に向けて取り組むことが重要と考えます。
さらに包装機械を含めたものづくり産業を取り巻く環境はIoT、ロボット、AIなどの先端技術を活用しながら新たなビジネスを生み出していくことが、需要業界の皆さまのビジネスの進化とともに産業の高度化につながるものと確信いたします。
わが国の包装機械産業はこのような変化に対応し、人手不足問題、環境問題、食料問題等のさまざまな社会課題の解決に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。当工業会としましても包装産業の技術高度化、人材育成、広報推進、国内外展示会等の事業を幅広く展開することにより、会員の皆さまをはじめとする関係の皆さまの事業のお役に立つと同時に工業会の価値向上に努めてまいります。特に本年は他に先駆けて推進してきました包装学校事業が50周年を迎える節目の年となります。産業人材育成の大きな役割の下、次なる発展に向けて記念行事等を計画してまいります。
そして当会の最大のイベントであります「JAPAN PACK 2023 日本包装産業展」を本年10月3日から東京ビッグサイトで開催いたします。開催テーマは「未来への包程式-当たり前のその先へー」です。最新鋭機器・技術・サービスの展示や最新トレンドを提供することにより、需要業界の自動化、環境問題などの社会課題の解決策に向けた包装総合展を目指します。関係の皆さまには絶大なご支援をいただき、事業内容の充実を図り新たなビジネスの発展にも貢献してまいりたいと考えております。
本年も当会事業への温かいご支援とご協力をお願い申し上げます。
年頭に当たり、皆さまのますますのご繁栄とご健勝を祈念しましてごあいさつとさせていただきます。