日本経済の発展を牽引し、今も支える製造業 就業者数下げ止まりも 自動化・オートメーション化が必須
日本の製造業で働く人は、2022年10月末時点で1053万人となっている(総務省統計局 労働力調査2022年10月分より)。これは日本で働いている人の15%に相当し、約6人に1人が製造業で働いている計算になる。製造業は人手不足と言われるが、昔はどうだったのか。これまでの日本の製造業の就業者数の推移を振り返り、今後の展開を考える。
総務省統計局の労働力調査によると、調査が始まった1953年次の製造業の就業者数は720万人。全就業者数3913万人のうち、農林業が1487万人(38%)で最も多く、製造業が2位で720万人(18.4%)、3位が卸売・小売業・飲食店の667万人だった。
そこから製造業の就業者数は増加を続け、1958年には898万人(20.9%)となり、初めてシェアで20%を突破。1961年には1011万人(22.5%)で初の1000万人を達成。1964年の東京オリンピックの年には1129万人(24.3%)となり、製造業の就業者数で農林業を抜きいて全産業で最多となった。
その後も経済成長とともに就業者数は増え、1967年に1200万人、翌1968年に1300万人を超え、1973年には1443万人に達し、シェアで過去最高値の27.6%を記録した。
その後はオイルショック影響で経済が減速して就業者数の伸びはいったん落ち着いたが、1983年に1400万人を超えると、バブル全盛期の1990年に1500万人を超え、1992年に1569万人(24.4%)を記録し、これが過去最多の数値となっている。
バブル崩壊後は1992年をピークに緩やかに減少を続け、1994年に就業者数でサービス業に抜かれて2位に後退し、1996年には卸売・小売業・飲食店にも抜かれて3位に。2002年にはシェアが20%を下回り、2009年には1100万人を割り込んだ。
2010年代からは就業者数1050万人前後、シェアも15〜16%前後を上下を続けており、ほぼ安定。現在の製造業の規模を確保・維持するには最低でも1000万人は必要で、今後人口減少が進むなかでは、従来の生産方式の見直しと自動化やロボットなどオートメーションの実践で減少分をカバーすることが不可欠だ。