日本で製造したものを海外に出荷した金額「輸出額」は、2021年は83兆914億2000万円(食料品や原料品等も含む)となり、。これまでの最高額となるリーマンショック前の2007年の83兆9314億円に匹敵する大きな数字となった(財務省貿易統計)。
調査開始時の1950年の2980億円から、1957年に1兆円、1969年に5兆円、1973年に10兆円、1977年に20兆円、1981年に30兆円、1984年に40兆円と順調に輸出額は拡大したが、バブル崩壊で一時的に勢いが低下。その後、1997年に初めて50兆円を突破し、2004年に60兆円、2006年に70兆億円、2007年に80兆円と一気に駆け上ったが、リーマンショックで2009年には54兆円まで激減。そこから13年かけてようやくリーマンショック前の状況まで回復し、改めて再スタートとなる。
最高額の2007年当時と現在の2021年では、その内訳と金額が大きく変わっている。2007年に20兆8392億円で最も輸出金額が大きかった輸送用機器は、21年には16兆1922億円に減少。自動車が台数で300万台、金額で3兆5000億円減らした。
電気機器は、16兆9498億円だったものが15兆3093億円に低下。半導体等電子部品が5242億円から4899億円と微減したことに加え、AV機器が1兆7795億円から4265億円、通信機が1兆0253億円から4136億円と大きく減らした。その一方で、重電機器や電気計測器、電池などは増加。
一般機械は、16兆6313億円から16兆3823億円とほぼ横ばい。それでもコンピュータ関連の電算機器が8950億円から3288億円、電算機の部分品が1兆8727億円から1兆51億円と大きく減らしたのに対し、半導体製造装置が1兆5218億円から3兆3529億円と倍増し、ポンプ、ベアリングも増加。特に輸出で稼げる品目が民生品から産業機器へシフトしていることが顕著に現れている。