日本半導体製造装置協会(SEAJ)は、2022年度から24年度までの3年間における日本製半導体・FPD製造機器の需要予測を公表した。半導体製造装置は23年度に一時的に踊り場を迎えるが、24年度には戻って4兆1997億円に達し、FPD製造装置も22年度・23年度と停滞するが24年度に大きく回復して5425億円に到達する見込みとなった。
22年度から24年度までの半導体産業は、WSTS(世界半導体市場統計)では、22年の世界半導体市場規模は前年比4.4%増と成長が鈍化し、23年は4.1%減と4年ぶりのマイナス成長を予測。それでもPCとスマホに加え、5GやIoT、AI、データセンター、自動運転、EV とパワー、産業機器など全体における半導体の需要は拡大傾向は変わらずに続く見通し。また、カーボンニュートラルには半導体のさらに高い演算性能と低消費電力の両立が必須とされ、持続的な技術革新が装置需要の追い風になるとした。
これを受けて日本製半導体製造装置の販売高は、22年度は米国の対中輸出規制やDRAMなどメモリ価格下落による設備投資への影響もあるなかで7.0%増の3兆6840億円を維持するが、23年度は前半はメモリ投資の厳しさが続いて5.0%減の3兆4998億円。24年度はメモリ投資の本格回復と複数の大規模ロジック投資が見込まれ、20%増の4兆1997億円と急回復すると予測した。
またFPD産業は、コロナ禍で起きた特需の反動で環境は悪化し、設備投資の多くが見送りとなり、23年度は非常に厳しくなると予測。24年にはIT製品へのOLEDパネルの搭載検討が進み、OLED用G8基板の投資が本格化する見通し。
日本製FPD製造装置の販売高は、22年度は6.0%減の4520億円、2023年度は20.0%減の3616億円と厳しい状況が続くが、24年度はパネル需給の好転とG8基板のOLED投資の本格化が期待され、50.0%増の5425億円になると予測している。