【2023年 年頭所感】一般社団法人日本機械工業連合会 会長 東原敏昭 新デジタル社会構築へ貢献

新年明けましておめでとうございます。年頭に当たり、平素より当会にお寄せいただいている皆様方の温かいご支援とご協力に、改めて深く御礼申し上げます。本年は卯年となります。卯(うさぎ)は穏やかで温厚な性質であること、飛び跳ねる姿から、「飛躍」を象徴する年として親しまれてきました。景気が好転するとも言われ、大変縁起のよい年として期待したいと思います。新型コロナウイルス感染については、昨年夏以降、沈静化の兆しがあったものの、新たな変異種オミクロン株の世界的流行等、明るい話題が未だ少ない状況ではありますが、「景気が好転する年」「飛躍する年」として、機械産業において、皆様において、本年が変化と飛躍の年となることを心より祈念いたします。

昨年からの当会の活動状況についてご紹介いたします。昨今、会合実開催が困難な状況の中、会員の皆様へ、コロナ対応含む必要な情報を発信し、会員サービスの質を落とすことのないよう努めて参りました。今後もWEB等を活用した事業の運営を積極的に行い、引き続き、会員の皆様に必要な情報や、意見交換の場を提供して参ります。

これまで我が国製造業は、自由貿易と国際分業を基礎に発展してきましたが、近年の環境変化は急速であり、迅速・適切な対応が求められています。特にグローバルバリューチェーンは、新型コロナウイルス感染拡大がもたらす生産要素の移動に関する様々な制約や産業構造の変化、米中間の覇権争いによる貿易・投資・技術・ヒトの移動に関する規制と障壁等により、産業に本質的な対応を要求しています。当会では2021年度に引き続き、公益財団法人JKA補助を得て、関連する委員会との連携のもと、特に、通商、セキュリティ、デジタル化、環境の4点に着目し、今後の製造業の課題と対応に関する検討を始めております。2年目となる2022年度内に調査結果を公表予定でございます。

次に、税制改正についての取り組みをご紹介いたします。当会では、機械業界の要望内容の策定、およびその実現に向けた要望を中心に税制に関する活動を行っております。「令和5年度税制要望」については、「新時代に向けた我が国経済の活性化、カーボンニュートラル実現等を目指す」として、「研究開発税制の拡充」「新時代に向けた設備投資促進税制の拡充、整備」「持続可能な地球温暖化防止対策の推進-カーボンニュートラルの実現に向けて」「経済の電子化に伴う課税上の課題への対応」を重点項目として要望いたしました。また、製造業関連7団体連名にて、「グリーントランスフォーメーション実現に向けた令和5年度 税制改正共同要望」を策定し、要望項目の実現に向け、共同で陳情活動を展開いたしました。

「ロボット大賞」は、今年度、第10回の開催を実施いたしました。「優秀省エネ脱炭素機器・システム表彰」は、国内唯一の産業機械における省エネ表彰として、日本の省エネ推進に貢献して参りました。CO2排出抑制という表彰分野を加え、JKAの補助を受けながらスタートを切り、本表彰が省エネ並びにCO2削減に寄与することを期待しております。

次に「ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会(RRI)」への活動支援についてご紹介いたします。RRIは、成長戦略の一環である政府策定「ロボット新戦略」に基づき2015年に発足し、8年が経過いたしました。現在の会員数は約427となりました。

産業IoT領域における取組みとして、ドイツのインダストリー4.0推進母体をはじめ、国内工業会など関係団体との協力関係を築き、産業セキュリティ対策、ビジネスモデル構築、人材育成など世界共通の課題解決に向けた議論を進めています。また、国際電気標準会議スマート製造システム委員会国内事務局を務め、国際標準化活動も行っております。

 RRIは多種多様な企業の集合体のため競争領域もありますが、今後は協調領域について議論しながら連携を図り、グローバル競争に向けた価値創出にリソースを集中することが日本全体の競争力強化のために急務と考えます。

当会は、引き続きRRIと共に、新しいデジタル社会の構築に向け、日本の機械産業に貢献し更なる発展を実現できるよう誠心誠意努める所存ですので、今後とも関係各位の引き続きのご指導、ご鞭撻をお願い申し上げます。最後となりますが、皆様の一層のご健勝とご活躍を心からお祈り申し上げ、年頭の挨拶とさせていただきます。

http://www.jmf.or.jp/

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