ロボット国内出荷・輸出額推移(会員ベース) 出典:日本ロボット工業会
日本ロボット工業会は、2022年の会員ベースのロボットの受注・生産・出荷実績を公表し、受注額が対前年比1.6%増、生産額は5.6%増と前年を上回り、受注、生産、総出荷実績(金額、台数)それぞれで過去最高を記録した。
22年の会員ベースの年間受注台数は前年比0.1%増の27万1578台、受注額は前年比1.6%増の9558億円、生産台数は7.8%増の25万4975台、生産額は5.6%増の8792億円となり、いずれも3年連続の増加となった。会員と非会員を含めた年間実績は、受注額は2.9%増の約1兆1100億円、生産額は5.5%増の約9910億円になると見込まれている。
国内・海外別では、国内向けは出荷台数が7.1%増の4万3183台、金額が2.1%増の1894億100万円。輸出は、台数が7.5%増の21万2547台、金額は7.5%増の7038億5800万円となり、輸出比率は台数で83.1%、金額で78.8%となった。地域別では、アジアは出荷金額4344億8600万円と最も巨大だが、前年比ではマイナス。中国が景気減速で前年割れとなったが、その分を他のアジア地域の増加分でまかなえなかった。一方で北米と欧州はともに3割近い増加。北米は29.9%増の1563億9500万円、欧州は30.7%増の1042億500万円となった。
用途別では、大幅増で目立ったのは、半導体などクリーンルーム用ロボット。出荷台数は19.1%増の2万5674台、金額は26.5%増の732億4100万円だった。また機械加工向けも台数で74.5%増の1万5460台、金額で78.3%増の298億3500万円と急増。特にワークの投入と取り出しを行うロード・アンロード向けが国内・海外ともに大幅に増加。出荷台数は国内が25%増、海外が106%増の合計1万4583台となった。マテリアル・ハンドリング向けも拡大し、出荷台数は11.5%増の7万7453台。
クリーンルーム用ロボットは世界的な半導体需要と製造装置投資があり、機械加工におけるロード・アンロード向けは協働ロボットを使ったアプリケーションの普及、マテリアル・ハンドリング向けも協働ロボットや物流ロボット、自動倉庫等の物流の自動化の波が大きく影響した。