当たり前の話で恐縮だが、オートメーション新聞は日本語で書かれている新聞だ。日本語以外の言語版はまだない。そのため、WEBを閲覧しているユーザーを除き、読者の99%は日本国内の人々。売上の内訳も国内が99%を占める。日本の製造業界は企業数も労働者数も減少傾向にあり、且つ新聞ビジネスも縮小に歯止めがかからないなか、当社の先行きは不透明どころか真っ暗だ。この状況を切り拓くには新市場にチャレンジするしかない。となると狙うは海外か!?
オートメーション新聞が海外を狙うというのは8割がた冗談だが、日本の中小製造業にとっては新天地に市場を求め、海外での売上比率を高めていくのは、生き残るためにも避けられない。では海外売上が高い企業、海外で成功している製造業はどうやっているのか?そこに共通しているのが、海外展示会の活用だ。あるFAメーカーは、3月から4月の2カ月間だけで大小合わせて世界で30の展示会に出展を予定している。国内はもちろん、海外展示会でも日本企業の出展が少ないなか、その企業のブースをよく見かける。その企業の海外売上比率は6割を超えており、新市場の開拓を成長戦略の柱とし、長年とても積極的にやってきた。成功している、成長している、稼いでいる企業の原動力はそこにある。
これまで中小製造業の海外進出といえば、大手の取引先が海外工場を出す際、コバンザメのようにくっついていくのが定番だった。しかし今はそうではない。いかに現地ローカルの需要を取り込んでいくかがカギになる。海外展示会の来場者は、そのほとんどが現地のローカルの人だ。現地で働き、製品を選び、購入し、作る人々。彼らに知ってもらい使ってもらうことが海外での売上につながる。そのとっかかりを作るためにも海外展示会は有効な手段だ。新規顧客なしに企業の成長、生存はあり得ない。新規顧客は新しい市場にこそ存在する。