日立産機システムは、飲食料品の生産ラインの最終工程で異常品を取り除くための目視検査を自動化するエッジAI外観検査装置「エッジAIマシンビジョン」を4月に発売する。
飲食料品の生産ラインの最終工程で行われる目視検査は、高速で流れる数多くの商品を長時間注視するため作業員の視力・体力の負担が大きく、複数人でシフトを組んで対応するなど負担軽減の取り組みもあるが、人手不足によってデジタル化・自動化のニーズは高い。
しかし現在市場に出ている外観検査装置の多くは、商品ごとの複雑な条件設定作業や、大量の画像データをAIプログラムに学習させる専用システムを準備する必要があった・さらに、商品が変わるたびに新しいデータを学習させる必要があり、膨大な作業工数と費用がかかっていた。
それに対し同製品は、新開発のエッジAIモジュール「HX-AIX1」を、IoT対応産業用コントローラ「HXシリーズ ハイブリッドモデルII」に搭載し、USBカメラや照明設備と連携して装置を構成し、生産ラインを流れる商品が変わっても膨大な工数や追加費用を発生させることなく、目視検査の自動化が可能。
良品の正常データだけでAIが高速学習・推論でき、異常データ(異常品)が不要なため、高速なAI学習・推論の実行が可能。装置にはエッジAIの学習・推論に最適なGPUや専用メモリ、記憶領域を搭載し、商品ごとの複雑な条件設定作業がいらず、大量の画像データを取り込んで学習させるための専用システムの設定も不要なため、本体一つでシームレスかつリアルタイムな学習・推論が実行できる。2000枚の画像を学習する場合は約40分で学習し、推論速度は300枚/分、検知対象物として、瓶の傷やラベルの汚れ等を検知できる。