横河電機は、プラント装置を制御するエッジコントローラ上で自律制御AI(FKDPP)を活用できるサービスを開始した。
プラントの制御方式にはPID制御と高度制御(APC)があるが、複雑な制御になると調整に長い時間と大きな労力がかかり、手動制御で対応している箇所が沢山ある。
同社は、自律制御AIを使って化学プラントのなかでこれまで手動運転しかできなかった箇所を35日間、自律制御に成功。同サービスは、その自律制御AIで作成したモデルをエッジコントローラに実装し、プラントの自律運転を可能にするもの。
AIの専門知識がいらず、制御モデルを生成してコントローラに組み込める簡便さに加え、既存の設備を活かしながらエッジコントローラを後付けしてAIによる自律制御が可能。制御周期は 0.01秒から対応し、高速性が求められる装置の制御にも対応できる。
これまでPIDやAPCが組めなかった手動制御箇所に適用することで自律化と最適制御を同時に実現できるほか、設定値を上回るオーバーシュートを防止し、装置へのダメージを低減する。整定時間も大幅に短縮し、省エネと生産性向上にも貢献する。
サービス利用には、別売りのエッジコントローラと自律制御AIを使った学習サービス、エッジコントローラ用ソフトウェア、AI制御モデルを実行するためのライセンスが必要となる。石油化学、エネルギー、素材、半導体製造、食品農業、製薬、上下水道等のプラントにおける温度や圧力、水位、流量制御などに最適となっている。
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