三菱電機は1日、名古屋製作所のFAコミュニケーションセンターで、FA機器分野としては初めてのプライベート展「プライベートフェア2023」を開催した。「デジタライゼーションによる、ものづくりの今と未来」をテーマに、デジタルソリューションを中心とした展示・提案を行い、約300人が来場した。3月16日からは、今回のセミナー動画や展示内容の紹介を中心としたオンライン展を実施する。
これまでFA機器分野は、例年、東京ビッグサイト等で行われる大規模展示会にはブースを出展して提案をしていたが、プライベート展の開催は今回が初めて。その背景として、製造業を取り巻く環境とスピード感の変化と、顧客のニーズの多様化と具体化、複雑化などがあり、より顧客と関係を強化して課題解決につなげるために開催を決定。
都築貴之 執行役員 名古屋製作所長は「コロナ禍でコミュニケーションが取りづらかったこともあり、それを改善し、密なコミュニケーションを取っていく」とし、パブリックな展示会では新規・既存客に対して幅広く製品・ソリューションを認知・理解するもの、プライベートフェアは顧客の要望により細かく応えるものとして使い分け、毎年全国各地で開催を予定しているとした。
フェアは、セミナーと製品・ソリューション展示、名古屋製作所の工場見学等で構成。セミナーは、Youtuberのものづくり太郎氏の特別講演と「DXのその次」を議論するパネルディスカッションのほか、三菱電機とパートナー企業によるものづくりDXの取り組みや事例を紹介。
製品・ソリューション展示は、昨年9月にリニューアルしたFAコミュニケーションセンター1階ショールームでは、PLCや表示器、モータ、産業用ロボット、配電制御機器などハードウェア展示のほか、ワイヤレスマウスのマスカスタマイズ製造ラインのデモラインを紹介。各作業工程の産業用ロボットと搬送装置をCC-Link IE TSNで接続し、個々の装置の作業・稼働データをSCADAでリアルタイム表示し、最先端の生産ラインを提案した。
4階では、同社とe-F@ctoryアライアンスのパートナー12社によるDXソリューションを紹介。同社展示では、SCADA「GENESIS64」、シミュレーションソフト「MELSOFT Gemini」、データ分析ソフト「MELSOFT Mailab」を中心に、製品設計・開発からライン・設備設計と安定稼働・運用、保全・保全メンテナンス、更新とリニューアルまでのライフサイクル全体の革新に向けたソリューションを展示した。パートナー12社のDXソリューション展示では、立花エレテックのクラウド版設備稼働監視システム、菱電商事の製造業向けのカメラシステム、カナデンのAEセンサを使った設備の超早期故障予兆検知システム、たけびしのシーケンサにAIを組み込めるソフトウェア、北陵電興のカメラデータ活用と工場健康診断などを紹介した。
3月16日からはプライベート展の内容をオンラインで再現した「オンラインフェア2023」を下記URLで開催を予定している。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/fa/events-seminars/index.html