オムロンは、プリント基板用リレー「G9KA」について、太陽光発電システム用パワーコンディショナー(PCS)やEV用急速充電器、産業用インバータにおける開閉器・電磁接触器の代替需要を見込み、通電定格300A、最大接点電圧をAC1000Vに拡大し大電流化した高容量リレー「G9KA-E」を発売した。太陽光発電システムの構成は、ソーラーパネルで発電した電力をPCSで直流から交流に変換して電力系統へ送り出し、発電していない時や異常時はPCS内の開閉器で電力系統から切り離して安全を確保する仕組みになっている。
現在、PCSの開閉器には大電流用として電磁接触器やリレーが広く使われているが、部品自体が大きく、設置・メンテナンス時にはねじ締めやコネクタ接続が必要なことから、PCSの小形化や省スペース化、人手不足に対する組み立て・配線作業の効率化・省力化に向けて、大電流化したプリント基板用リレーで代替したいというニーズがあった。また太陽光発電システムも集中制御から分散制御になってPCSの小型化が進み、集中制御型のPCSでも内部をモジュール化して並列運転する構造も出てきて、開閉器の基板化ニーズは強くなっている。
それに対し同製品は、プリント基板用リレー「G9KA」をベースに、絶縁設計と端子構造を見直してAC800V/200AからAC1000V/300Aへと大電流化。通電にともなう発熱も、0.2mΩ以下の低接触抵抗はそのまま踏襲して低発熱とし、加えて端子面積の増加やスタンドの高さアップなどで放熱性を高めて熱対策を実施。これにより開閉器のリレー基板化を可能とした。
太陽光発電システム向けPCSのほか、定置型蓄電システム(ESS)や無停電電源装置、EV用急速充電器、産業用インバータなどに利用可能。電磁接触器の代わりにリレー基板を使うことで装置の小型軽量化や、製造・メンテナンスの効率化を可能にしている。