DX時代の到来と言われる現代、色々な事が更に便利になる。機器部品販売員が苦労して新規客開拓をする時代は遠くなった。新規客開拓はウェブ検索やMAからあがってくる新規客を見込客として販売員に引き継ぐことから始まる。だから該当商品に興味があるのがわかっているので商品の売込みから新規客開拓は始まる。そこで販売員に聞いて見た。商品に絡む用件でアクセスしてきた新規客を訪問して商談や用件が完結した場合に次回の訪問はどうするのかと。大方の販売員は受注完了により、ほっとして、今後ともよろしくと言って退出している。だから次回訪問する時のアポイントを取るのにかなり苦労する。これは初回の訪問を雑にしたせいである。新人の場合は次回のアポ取り時に用件を聞かれ、最新の商品を紹介したいと答えてる。ほとんどがその資料送って下さいといって切られる。中堅の場合は諸事情に絡めて商品を選定し、ぜひ紹介したいのでと答える。これが相手に受け入れられればOKだが、それ程興味がなければやはり資料を送って下さいと言われる。どうしてうまくいかないのか。新規客は商品に興味があり欲しかったから初回の訪問を依頼している。その時に販売員がこれは新規客を自分の顧客にする千載一遇のチャンスと心に秘めて会っていれば展開は変わる。顧客が欲しいと言っている商品にこだわって訪問するのではなく、まずこの訪問でなんとか交友関係をつくりたいという気迫がいる。友好関係は初回の一回で普通は作れない。何事においても基本動作と応用動作がある。営業の基本動作は販売員として相手に好ましく見られる諸動作である。
応用動作は売り込む販売力と思えばいい。初回の訪問は応用動作はいらない。基本動作で勝負は決まる。そのためには雑にしてはいけない。初回の出合い頭は印象である。先ず基本的な印象としてマナー、姿勢、服装、話し方、表情など一般に言われている事である。他には普通の販売員とは何か違う印象を残すことである。その(一)として名刺交換を簡単に済ませない。相手の名刺をじっと見つめ、名刺に記されている事に言及して会話をすること。その(二)本題に入る前に、お恥ずかしいですが、今はどのようなお仕事をされてますか、等のような通り一遍のあいさつではなく観察して目についた事や相手の会社に関しての軽い話題を出す。(三)一般の販売員がやるセールス言道はやらない。例えばうちの会社は何々ができる。うちの会社は何々の代理店、と言うようにうちの会社を強調しない。(四)変な販売員という風に見えてもいいが何かひとつ読みきれない面がある思われること等々の印象である。この様な印象を残せばもう一回位、様子を見るために会ってもいいかなという気が多少芽生える。とにかく初回訪問の目的は是が非でも次回の訪問の約束を取り付けることである。したがって本題に入っても熱意や癒しの雰囲気を作り出せればダメ押しになる。例えば(一)具体的にわかっている内容で外交辞令を言う。これは相手の会社、仕事の礼賛である。(二)扱い商品や新商品等を紹介する場合にも注意がいる。いきなり商品の紹介をするのではなく、その商品の使われる背景などを話題にする。その話題で互いにやり取りをする中で、聞いて見たい事などの質問を試みる。まだ営業経験が浅くてその様なスキルがなければ商品の紹介はサラッと話すことに留める。(三)相手の話を真剣に聞く。そしてその中で何か宿題になることはないか探す。
見つからなくても相手の話に関心ある表情でいい。帰り際には「来月新しい情報を持って伺います」と黙認の了解を取ることを忘れない。