大同特殊鋼は、今後の需要拡大が見込まれるニッケル基合金やクリーンステンレス等の高級鋼について、さらなる増産に向けて、特殊溶解設備の真空アーク再溶解炉(VAR)32基を愛知県知多市の知多第2工場に増設する。投資金額は52億円。稼働開始時期は2024年度末を予定している。
ニッケル基合金やクリーンステンレス鋼などの高級鋼は、真空誘導炉で溶解した鋼塊を特殊溶解設備で再溶解し、製品内部の清浄度や均質性を高めることで、部品の強度向上や耐用時間を伸ばすことが期待できるため、航空エンジンや半導体製造装置など、さまざまな厳しい使用環境に対応でき、需要の拡大が期待されている。
同社は群馬県渋川市の渋川工場で高級鋼の生産能力拡大を進めてきたが、増設スペースの確保が難しくなっていたことからスペースを十分に確保できる知多第2工場への新設を決めた。
今回の増設で高級鋼の特殊溶解能力を拡大でき、高級鋼圧延製品の出荷工場である星崎工場(名古屋市南区)に近い工場から母材供給が可能になり、圧延製品のリードタイム短縮も進める。
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