中小企業のDXの進捗は遅いと言われるが、オートメーション新聞はDXを進めている。これは自信を持って言える。業務システムは基本的にはクラウドベースのSaaSをフル活用し、以前に比べて生産性もコスト効果も高い。さらにはPDF電子版サービスやTwitterでの情報拡散や新たなユーザー開拓も行っている。そして先日、DXの新たな取り組みとして新サービスを開始した。オートメーション新聞の年間購読のクレジットカード払いへの対応とECサイトの開設だ。
弊紙のような業界紙は「会社が購入して読むもの」という暗黙の常識があり、長年、個人での購読は対象外だった。発行回数や情報量が少ないにも関わらず、専門情報が掲載されているということで価格は月額5000円以上。一般紙よりも高い。また昔から販売ルートは謎に包まれ、申し込むには媒体社へ直接問い合わせなければならない。これでは読者が増えるはずもなく、衰退していくのは当然だ。そこで今回、弊紙はこの悪習から脱却するため、個人読者をターゲットに、個人プラン年間6600円を、ECサイトから、クレジットカードで申し込めるという手軽な仕組みを整備した。開始から2日目でさっそく第一号購入者が登場し、上々のスタートだ。
弊紙が進めるDXは単純だ。とにかく利益を出すために大小さまざまな取り組みを行う。ここでいう利益とは、ムダをなくすか、新たな収益を出すかの2つ。そこにつながる道筋が整理できていれば実行する。それだけ。クレカ払いとECは、これまで業界紙とは縁が薄かった個人にも情報を発信し、逆に読者として弊紙を支えてもらうための取り組みで、新たな収益を狙っている。失敗してももともとコストをかけずにやっているのでダメージは小さい。逆に、成功したら儲けもので、得た利益を拡大のための投資にまわせる。DX界隈はいまも賑やかで色々な情報で溢れているが、難しく考えず、シンプルに利益を出せそうな小さなチャレンジをする。それを続けた結果、知らぬ間に企業文化やビジネスが変わっていたというのがDXの本質なのではないかと思う。個人読者獲得に向けたECは整備した。次は何を始めようか。弊紙のDXには終わりがない。