富士経済は、EV充電インフラに関するEV充電器の国内市場を調査し、集合住宅や商業施設、宿泊施設、レジャー施設などの法人・団体向け充電サービス用EV充電器の設置台数は2030年には20万台まで拡大すると予測している。
これまで法人・団体向け充電サービス用EV充電器は、EV/PHV車両の普及台数の少なさや分譲マンションでの入居者の合意形成が難しいことから導入が進んでいなかったが、認証・課金システムを活用した受益者負担の仕組みや初期費用無料の導入プランの提供、補助金などにより、2021年下半期から需要が拡大。さらに2022年には過去最大となる65億円の充電インフラ整備予算が整備されたことから引き合いも増加し、2022年に5700台が設置される見通し。一部、半導体不足の影響で充電器メーカーの供給が滞ったが、それも回復しつつあり、2023年も充電インフラ整備予算200億円が決まり、整備はさらに進むと見られており、2030年には2021年比で250倍となる20万台の設置を予測している。
またEVの普及にともない、Mode1とMode2の充電コンセント市場も拡大が見込まれている。1台2000円から3000円程度で年間10万台強のペースで出荷があり、消耗品としてリプレース需要も安定している。これに加え、PHV販売時に普通充電器よりも充電コンセントの設置を推奨するディーラーが増加していることや、充電サービスプロバイダの充電コンセントを中心に設置が進んでいることから、2022年は累計設置台数が増加するとみられ、51万6500台の設置が見込まれている。
今後は既築の集合住宅に加えて、新築集合住宅に対する標準装備化で導入も進み、2030年には139万1500台と予測している。
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