あらゆる場所からデータを集めて活用する時代。セキュアで安定した高速通信インフラが求められるなか、普及が加速し、利用範囲も拡大しているのが「産業用ネットワーク」だ。そのネットワークを構成する機器の数、ノード数は増加の一途をたどり、特にデジタル化やDX、自動化の需要熱が高いこの数年は、普及曲線は急カーブを描いている。
PROFINET、EtherCATともに累計ノード数6000万台に迫る
日本プロフィバス協会によると、2022年のPROFINETのノード数は前年比23.5%増の1050万台増加し、累積設置ノード数は5870万台に達した。
2014−15年頃に1000万台を超えてから成長速度は加速し、2017年末が2090万台、2018年末が510万台増の2600万台、2019年末が640万台増の3240万台、2020年末で730万台増の3970万台、2021年末で850万台増の4820万台、2022年末についに単年で1000万台増加を果たして5870万台となった。
フィールドバスのPROFIBUSは、2022年の増加数は80万台にとどまったが、それでも累積ノード数は6740万台とPROFINETよりも大きくなっており、うち1540万台がプロセスオートメーション分野のプラントで設置されている。
IO-Linkは、2022年は33%増の840万台の増加を記録した。累計設置ノードは3570万台となり、急速に普及が進んでいる。
EtherCATを管轄するETG(EtherCAT Technology Group)によると、2003年にEtherCATを公開してから20年間で設置されたEtherCATの累計ノード数は5910万台(モジュール型I/Oデバイスを除く)。特に近年は早いペースで増加しており、2022年だけで1840万台が増加した。
2014年に500万台を突破してから、2015年に600万台、2016年に840万台、2017年に1280万台、2018年に1700万台、2019年に2050万台と指数関数的に拡大してきて、2020年には660万台増の2710万台、2021年には1360万台増の4070万台、ついに2022年には1840万台増の5910万台となった。地域的には特に中国で急速に発展し、北米でも継続的な成長を続け、ヨーロッパでも長期的に順調に推移している。
また産業用通信・ネットワーク向け半導体チップや機器などを展開するHMSインダストリアルネットワークスが毎年まとめている「産業用ネットワーク市場シェア動向」によると、産業用ネットワーク市場は今後も7%の成長率で市場規模・ノード数が拡大し、特にEthernetベースの産業用Ethernetは10%の高い成長率で伸びていくと予測している。