日本ロボット工業会が発表した「マニピュレータ、ロボット統計 受注・生産・出荷実績(会員ベース)」によると、2023年4−6月期の産業用ロボットの受注額は前年度比18.7%減、生産額も8.8%減となった。世界的に自動化需要は根強く、コロナ禍や地政学上の問題があっても着実に成長を続けていた産業用ロボットだが、踊り場の今年は厳しい状況が続く。
2023年4−6月期の受注台数は4万7978台(33.2%減)・受注額は1967億円(18.7%減)。生産台数は5万3942台(16.0%減)・生産額は2023億円(8.8%減)、出荷台数は5万3504台(15.5%減)・出荷額は2042億円(7.1%減)と受注・生産・出荷いずれも前年を大きく下回った。ただし前年2022年は過去最高を記録し、それを下回ったと言っても今回の実績は好調だった2017年・2018年と同レベルであり、市場自体は拡大していて、もう一段階高いレベルでの踊り場に差し掛かっている。
仕向地別では、国内出荷は出荷台数は8948台(2.2%減)・出荷金額は423億円(5.7%増)とほぼ横ばいで健闘。これまで好調だった半導体用に急ブレーキがかかったが、組み立てやハンドリング用、電気機械向けの実装用が好調を持続した。一方で輸出は苦戦。輸出台数は4万4556台(17.8%減)・輸出額は1619億円(10.0%減)。北米と欧州は前年を上回っているが、中国・アジアでの停滞が響いた。