富士電機は、汎用インバータの主力機種である「FRENIC-Ace シリーズ」について、Ethernet対応機種の拡充や予兆保全機能の搭載など機能強化とラインナップを拡充する。
インバータは工作機械や産業用ロボット、ファン・ポンプや搬送ラインで使われ、モータの最適制御によって省エネを実現でき、脱炭素に向けて需要拡大が期待されている。また機器や生産設備をネットワークでつなぎ、データ収集や分析、自動制御を通じて生産性向上や省エネなどを実現するデジタル化、DXに向けてインバータにもネットワーク対応が求められている。
それに対し同製品は、従来のベーシックタイプに加え、Ethernetに対応したEthernet内蔵タイプ、小型化したフィンレスタイプ、ノイズ対策を施したEMCフィルタ内蔵タイプを追加。Ethernet内蔵タイプは、Ethernetへの対応によってインバータの通信速度が向上し、生産現場で収集できるデータ量が拡大し、電流・電圧の変化を高精度に把握できるようになり、生産ライン全体の設備稼働率や設備異常の有無等の特定などが可能。
フィンレスタイプは、内部の冷却フィンをなくし、奥行寸法で最大約30%の短縮となり、機械装置や盤などの小型化・省スペース化が可能となっている。
また全機種共通で予兆保全機能を搭載。主要部品のパワー半導体のIGBTモジュールの出力電流・出力周波数をモニタリングして異常兆候にアラートを出す「寿命予測機能」でメンテナンス計画立案や駆動システム停止の未然防止に役立つ。
またインバータの基本設計に関して、構造・部品・ソフト等の基本設計を共通化したプラットフォーム開発を進めており、同製品はプラットフォーム適用機種としては上位機種に続く第2弾であり、順次他シリーズにもプラットフォームを適用し、開発期間の短縮を推進する。
https://www.fujielectric.co.jp/about/news/detail/2023/20230830100005145.html