
ダイキン工業は、茨城県つくばみらい市に空調機の新たな生産拠点を設立する。関東に新工場を設けることで、国内の空調機需要に対する供給の最適化を図り、さらなる拡大を目指す。
新工場建設の目的は、海外の生産を国内に移す「生産の国内回帰」ではなく、純粋な「国内生産の強化」と位置づけ。具体的には3つの狙いがあり、1つ目は「関東エリアへの供給力の強化」。つくばみらい市は首都圏にあって、需要変動に応じたタイムリーな製品供給ができ、関東以北の寒冷地市場にも陸上・海上輸送の両面で優位性を持っている。2つ目は「革新的な技術活用の実証実験の場の確保」で、AI・IoTを駆使したようなモノづくりを抜本的に変える革新的な技術の活用には工場現場での実証実験が必要だが、国内の既存工場は生産能力の上限レベルで生産をしていることから、国内生産に余力を持たせ、拠点間の機能を再編することで供給力強化と実証実験の両立を目指す。3つ目は「生産拠点の分散化によるリスク低減」で、国内工場は堺製作所(大阪府堺市)、淀川製作所(同・摂津市)、滋賀製作所(滋賀県草津市)と大阪を中心とする関西圏に集中し、新工場の建設によって自然災害など工場の操業に影響を及ぼす突発的な事象が発生した際に、商品の供給が途絶えるリスクを低減を図る。
新工場では、第一ステップとして2027年から2028年にかけてルームエアコンの生産を開始する予定。投資金額は約 200 億円。敷地面積は約 9万8000平方メートル。