10月17日から20日にかけて、幕張メッセでCEATECが行われる。9月29日には開催に向けた記者会見が行われた。近年、CEATECはデジタルやイノベーション、スタートアップへと軸足をシフトしていて、FA・産業系を主とする弊社とは少し毛色が違うと思いつつ、仕事半分・趣味半分で参加したところ、ようやく時代が追いついてきたのか、デジタルやイノベーションといった未来志向の話が多く、開幕が楽しみになった。
もともとCEATECは1958年に第1回が開催され、当時は「テレビ・ラジオパーツショー」という名称で、その名の通りテレビやラジオを作るための電子部品を中心とする見本市だった。そこから家電や電子機器、電子部品・デバイスの展示会になり、2000年にはコンピュータや情報関連の展示会と融合する形で「CEATEC」が誕生。当時は、ITバブル真っ只中。まさに日本のエレクトロニクス業界の全盛期で勢いがあり、家電メーカーをはじめ各社が巨大なブースで多くの新製品と派手な展示を行い、勢いと未来が感じられてとても面白かった。しかし2000年代後半から家電や携帯電話など日本のエレクトロニクス産業の元気がなくなるとともにCEATECも少しずつ寂しくなり、2016年にはCPS、IoTの展示会に大きく方向を転換。この頃は第4次産業革命やインダストリー4.0、デジタル化がトレンドで、CEATECもその流れに乗った形だが、これまでの歴史とテーマ、実際の展示内容にズレを感じ、その頃から足を運ばなくなっていた。
コロナ禍を経て、IoTやデジタルが定着した今、CEATECはどう変わり、どんな提案がなされるのか。最近はSociety5.0を実現するためのデジタル技術の総合展として展開されてきたが、2023年はデジタル技術とネットワーキング、共創の場を強化して「デジタルイノベーションの総合展示会」を掲げている。これまで展示会は「見せる場・魅せる場」だったが、CEATECでは「創る場」にチャレンジしている。新しい社会を創る、新しいビジネスやパートナー、エコシステムを創る、新しい人を創るなどなど。どんな未来をどう創っていくか。そんな未来志向の展示会があっても良い。