IFR(国際ロボット連盟)の調査レポート「World Robotics 2023」によると、2022年に世界の工場に設置された産業用ロボットの数は55万3052台に上り過去最高を記録した。2023年以降は、世界的な景気減速が懸念されているが、産業用ロボットへの影響は少なく、2023年には59万3000台と増加し、それ以降も年平均7%で成長し、2026年には71万8000台まで拡大が続くと予測した。
2022年に設置された55万3052台のうち、アジアでの設置が73%を占めた。
アジア・世界ともに中国が最大の市場で、2022年の年間設置台数は29万258台。景気悪化が懸念されているが、ロボットに関しては導入スピードは衰えをみせず、2017年から2022年まで13%の成長で拡大している。
日本はアジア・世界でともに2位。前年比9%増の5万413台の設置となった。コロナ禍前の2019年を上回ったが、ピークだった2018年の5万5240台には及ばなかったが、それでも市場は着実に広がり、2017年から2022年までは年平均2%で拡大している。また日本は世界のロボット生産量の46%を占め、世界屈指のロボット生産国の座をキープしている。
韓国はアジア3位だが、世界では4位。1%増の3万1716台。コロナ禍前から4年連続で減少していたが、2021年から上向きに回復し、2年連続の微増となった。
ヨーロッパは全設置台数の15%を占める世界第2位の市場で合計7万781台を設置した。
EU内トップはドイツ(世界5位)。EU内で36%の市場シェアを持ち、2022年は2万5636台(1%減)となった。EU内2位はイタリアの1万1475台(8%増)、EU内3位はフランスの7380台(13%増)となった。
南北アメリカは、世界で10%のシェアを持ち、2022年は8%増の5万6053台。2018年のピークを超えて過去最高を記録した。
域内トップはアメリカの3万9576台(10%増)。世界でも日本に続く世界3位となった。主な成長原動力となったのは自動車業界で、設置台数は47%増の1万4472 台と急増した。全産業のうち自動車産業のシェアは37%となり、金属・機械産業の3900台、電気・電子産業の3232台を大きく引き離している。
域内の2位はメキシコの6000台(13%増)、3位はカナダの3223台(24%減)。カナダは自動車業界からの需要減少が響いた。またブラジルは自動車関連の重要な生産拠点で、ロボットやオートメーション市場の拡大が期待されている。2022年は4%増の1858台となった。