2023年7月29日
ECサイトでの買い物は、個人用途だけでなく、仕事でも便利です。
多くの人が一度は経験があるのではないでしょうか?
ウェブ上で注文ボタンをクリックし、最短で翌日に商品が手元に届くというのは、非常に便利なことです。
私の場合、設備のトラブル対応時にはすぐに故障した部品を交換したり、商社に見積もりを取らずに購入したりするために利用しています。
商社から購入するよりは価格が若干高いこともあるかもしれませんが、その利便性からつい利用してしまいます。
しかし、このような便利な買い物の背後には、物流業界に深刻な問題が潜んでいます。
新聞やニュースで耳にすることもある「物流の2024年問題」です。
今回はこの問題について感じたことを皆さんと共有したいと思います。
2024年問題は、多くの方がご存知かもしれませんが、働き方改革関連法により、
2024年4月1日から「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用され、
トラックドライバーの時間外労働時間が年間960時間と制限されます。
「モノが運べなくなる」「稼げなくなる」という懸念があり、この問題を「物流の2024年問題」と呼ばれています。
特に、物流業界における問題が顕在化する年とされています。
それには、トラックドライバーの「人材不足」、「低賃金」、「過酷な労働条件」といった要因が関与しています。
以前は通販サイトの物流体制が整備されていなかったため、商品の配送には比較的長い時間がかかることが一般的でした。
商品が届くのに1週間、早くても3日ほど待っていた記憶があります。
また、追跡機能がなかったため、待ち遠しい気持ちでソワソワしていたことを思い出します。
しかし、今では翌日、翌々日に商品を届けることが当たり前となっています。
翌日配送が当たり前になった背後には、テクノロジーの進歩、物流の最適化、運送会社の競争などがありますが、同時に先に述べた通り、環境への影響や労働者の負担といった問題も存在します。
その背後には、急速な需要増加に対応するために多くの労働力が必要であるにもかかわらず、
トラックドライバーの仕事が低賃金で長時間の重労働とされていることが挙げられます。
その結果、物流業界では若手ドライバーの不足と高齢化が人材不足をますます深刻化させています。
私の知り合いにも長距離トラックのドライバーがいましたが、彼はいつも疲れており、睡眠不足のような状態でした。全員が同じ環境ではないかと思いますが、私から見ても労働条件は厳しいと感じていました。
そんな彼は数年後に製造業へ転職しました。
これからは、この深刻なドライバー不足をどう解決していくかが重要です。
荷主と個人として、できることがあるかと思います。
まず、荷主として、荷物の待ち時間を減少させるために、出荷や受け入れのスケジュールを見直したり、トラックへの積み込みを効率化したりする方法を探ることができます。
私が働いている会社でも製品の出荷を担当している物流課が、労働条件を改善するために努力しています。
また、技術と自動化を活用して作業を効率化し、労働者の負担を減らすことも大切です。
いまのところ、私が所属する生産技術課と物流課が協働する予定はありませんが、協力依頼がありましたら、積極的に参加したいと考えています。
個人としても、急ぎの場合でない限り、通常の配送日を選択する、商品をまとめて注文する、日用品は小売店で購入するなど、小さな行動でもトラックドライバー不足問題に貢献できることがあります。
これらの小さな行動は、単独では小さな貢献に見えるかもしれませんが、
多くの人々が共同で取り組むことで、物流業界における課題に対処する一助となります。
私ができることとして、まず、不在時には置き配を利用したり、コンビニ受け取りを活用したりするなど、再配達の回数を最小限に抑えてドライバーの負担軽減に貢献したいと思います。
最後に、物流業界は私たちの生活に欠かせないものであり、「注文すれば明日には届く」
これは当たり前ではなく、私たちの便益を提供するために大変な労力を費やしていることを認識し、その努力に感謝の意を忘れずに購入ボタンを押したいものです。
【著者プロフィール】
シマタケ
共働きの子育て会社員。工場で15年間働く電気エンジニア。現在は某製造メーカーの生産技術担当。エネルギー管理士、第3種電気主任技術者、第2種電気工事士
機械保全技能士電機系2級、工事担任者(現DD第1種)、2級ボイラー技士、消防設備士(乙6、7)、危険物取扱者(乙4)など多数の国家資格を取得。心理学を勉強中でメンタルケア心理士、行動心理士も取得。
「電気エンジニアのツボ」でブログとYoutubeで情報を発信中