食品産業の景況感は改善続く 食品製造業の設備投資への意欲も強め 日本政策金融公庫「食品産業動向調査」

日本政策金融公庫による「食品産業動向調査(令和5年7月調査)」によると、食品産業の設備投資DI(Diffusion Index)は19.2となり、1997年の調査開始以来の最高値を記録。原材料費の高騰や人手不足対策として、自動化をはじめとした設備投資への意欲が高まっている。

調査は、日本政策金融公庫 農林水産事業本部が全国の食品関係企業(製造業・卸売業・小売業・飲食業)に対してアンケート調査を行ったもので、2384社から有効回答が得られ、うち食品製造業は1485社となった。
食品産業の景況感について、全体の景況DIは7.4となり、2016年下期以来の6年半ぶりにプラスに回復。食品製造業に限ると景況DIは8.7。食品産業を取り巻く景況感は好調で、特に糖類、油脂、菓子等の製造業は見通しは明るめとなっている。
一方で雇用については、全体の雇用判断DI(不足から過剰の割合をを引いた数値)は37.2、食品製造業でも35.5と高止まり。コロナ禍でいったん人手過剰となったものが、一転して不足感が高まっている。今後に取り組みたい経営課題についても、全産業で人手確保と人材育成の回答が突出して高く、食品産業全般は悪くない景況感だが、製造して販売する人手がいない状態になっている。
それに対して、設備投資への意欲は高く、全般の設備投資DI(増加から減少の割合を引いた数値)は19.2。前年から12ポイント、1月の当初見通しからも5.7ポイント増加し、3年連続の増加となっている。
経営課題としても、食品製造業では27.9%が省力化・省人化、24.9%が設備合理化・増強を挙げており、食品製造業の設備投資マインドは強めが続いている。

https://www.jfc.go.jp/n/release/pdf/topics_230928a.pdf

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