NECA(日本電気制御機器工業会)が発表した2023年度上期の電気制御機器の年間出荷統計によると、2023年度上期の出荷総額は前年割れの3662億5000万円となった。厳しい結果となった一方、2022年度は部材不足による納期問題が深刻化して需要と供給のバランスが崩壊して一時的な特需と受注残が多く残る状態だったこともあり、2023年度のどこかで反動が来ることは当初から想定されていて、それが上期に現れた格好だ。
2023年度上期の出荷総額は、前年同期比5.7%減の3662億5000万円。大品目別では、操作用スイッチ、検出用スイッチ、制御用リレーで前年割れ、PLC・FAシステム機器、制御用専用機器は前年を上回った。操作用スイッチは23.0%減の189億4900万円、検出用スイッチは17.3%減の525億1500万円、制御用リレーは12.4%減の837億6000万円、PLC・FAシステム機器は1.9%増の1422億5600万円、制御用専用機器は5.5%増の687億6900万円となった。
仕向地別では、国内出荷が3.8%増の2244億4900万円、輸出が17.7%減の1418億円。主要地域すべてで前年を下回り、北米は12.1%減の220億4000万円、ヨーロッパは8.2%減の314億3300万円、アジア・太平洋は19.7%減の880億5300万円、このうち中国が39.1%減と264億200万円の大幅減少となった。
上期の結果として、部材不足による混乱と特需があって過去最高額だった2022年度上期に対してマイナス、コロナ禍前で世界的に自動化需要が非常に活発で、海外市況も良かった2017年度上期に対しても下回ってはいるが、3662億円は過去10年で3番目の数値。特需の反動と世界的な景気後退という厳しい市況のなか、自動化需要はキャッチアップできている状態となっている。2023年度は長期的に見ると成長路線のなかで踊り場に位置し、半導体市場の回復が期待される2024年までは我慢が続く見通しとなっている。
2023年度2Qは15%減の1764億円
2023年度第2四半期の出荷実績は、前年同期比15.5%減の1764億5000万円となった。品目別では5大品目全てで前年割れをし、操作用スイッチの出荷額は27.2%減の88億5000万円、検出用スイッチは26.8%減の250億6000万円、制御用リレーは14.7%減の414億1000万円、PLC・FAシステム機器は14.5%減の675億2000万円、制御用専用機器は3.6%減の336億円となった。仕向地別では、国内が7.4%減の1086億1000万円、輸出が25.8%減の678億円だった。