FA・電気機器・機械部品の主要上場メーカーの2023年度上期決算がほぼ出揃った。部材不足と納期問題による特需と値上げ効果によって大きく押し上げられた昨年から一変し、各社難しい局面に直面している。特にFA関連事業は、中国市場の停滞により厳しい状況が続いている。
上場メーカー21社のうち、23年度上期業績で増収増益は9社、増収だが減益が4社、減収だが増益が2社、減収減益が6社。過去最高の売上・利益が多く出ていた昨年に比べて厳しさが目立つ。増収や増益を果たした企業でも、FA関連事業は軒並み前年並かダウンしており、インフラや車載など他の事業部門が補ったところも多い。一方で、厳しい状況のなかでも納期問題への対策として各社は生産体制を強化し、部材供給の回復と共に生産量を増やして受注残を順調に消化中。材料やエネルギー価格高騰にともなって値上げも実施済みで、足元の体質は改善している。
市況は、中国市場の低迷が全体に響いており、回復時期に注目が集まる。そのなかでもグローバルで製造業の自動化への設備投資への意欲は衰えておらず、中長期的には継続的な成長が期待できるが、直近では抑えめ。自動車の電動車向け生産設備や蓄電池・バッテリは一部で延期等も出ているが比較的堅調に推移し、半導体とその製造装置関連は厳しめだが、2023年の停滞は折り込み済みで、2024年からは再び上向く予想となっている。
回復時期は、すでに戻りはじめたという声もあれば、2024年度以降までこの状況は続くという見方もあって不透明。23年度通期見通しでも、インダストリー市況が悪化すると見るパナソニック、本格回復は24年度以降にずれ込むとするオムロンとCKD、在庫調整の影響が出るIDEC、ミネベアミツミなどは厳しい見方で下方修正する一方、ファナックは1Qで下方修正したものを2Qで再修正して上方修正、横河電機とアズビルは調達と生産体制の改善・強化で受注残の消化が進むことから上方修正を行った。
https://www.mitsubishielectric.co.jp/
https://www.global.toshiba/jp/top.html
https://www.minebeamitsumi.com/
https://www.fujielectric.co.jp/
https://www.smcworld.com/ja-jp/