三洋化成工業は、複雑で多様な匂いを可視化できる匂いセンサー「FlavoTone(フラボトーン)」を発売した。
人の五感のなかでもっともセンサの開発が遅れているのが「におい・嗅覚」とされ、特に複雑な匂いの識別できるものは少なく、社会実装が進んでいない。それに対し同製品は、特定の匂いだけでなく複雑な匂いの可視化ができ、匂いによる品質管理、特性比較、モニタリングなどのソリューションに利用可能。人間の鼻は、匂い分子が嗅覚受容体に吸着すると嗅覚細胞から電気的な信号が発せられ、その信号が脳に伝達されることで匂いを識別すると考えられており、同製品も同様のメカニズムで、嗅覚受容体に相当する匂い応答材料、電気特性の変化で匂いを検知するプローブ、信号パターンから匂いを識別する解析アプリを使って再現して匂いを可視化する。ガスクロマトグラフィーのような複雑な測定メソッドや前準備も不要で、測定時間も比較的短くできる。
食品や医療・ヘルスケア、香粧品、安全・防災、工場、環境など多様な分野で、効率・利便性・精度向上、異常検知、マーケティング・ブランディングの促進などでの利用を想定している。
https://www.sanyo-chemical.co.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/k20231106.pdf