中央電子、プライベート展開催 DX・クラウド・AI・環境をキーワードに最新研究成果を紹介

中央電子(東京都八王子市)は、「CECプライベート展2023」を、同社営業センターショールームで開催した。展示内容の一部はプライベート展終了後もショールームに展示する。

同社は「研究開発型製造業」として、クラウド・AI・IoTなどを活用し、計測制御・セキュリティ・ネットワークを中心とする分野で製品の開発から製造・販売を行っている。高い技術力・開発力は、大手半導体製造装置メーカー、大手自動車メーカー、大手FA機器メーカー等産業界はもちろん、理化学研究所や各種大学など研究機関のパートナーとして厚い信頼を得ている。

プライベート展では、製品や技術紹介だけではなく「ソリューション」として来場者が利用シーンをイメージしやすい展示がなされた。会場は大型モニタでのテーマビデオによるプライベート展の全体像紹介、ネットワーク対応環境監視装置「DTシリーズ」の事例紹介展示、新技術開拓部展示、医療用カート展示、受託事業展示のほか、先端技術の開発成果紹介の大きく6つのコーナーに分かれ、来場者の興味に合わせた見学方法ができる。

DTシリーズの事例紹介展示では、今後堅調な市場の伸びが期待されるデータセンターを題材に「監視ソリューション」を紹介。統合管理ソフトウェア「Acsaran-DX」を基盤として「温度」「湿度」「電流」などのサーバー環境を監視するデモが行われた。現場のデータ収集には、接点入力監視、アナログ入力、AC電流計測、温湿度監視などのシステム構築が省配線で実現できる「DTシリーズ」を活用。メインユニット「DT-01」とHUBユニット「DT-H01」をEthernetケーブル1本で接続することで、配線工事費用の削減とリスク低減が両立できる。「Acsaran-DX」及び「DTシリーズ」はクラウド環境とも親和性が高く、APIによる連携も可能なため、既存システムや他社サービスとの連携により、一元的なデータ管理を容易にし、スマートファクトリーの実現や快適なオフィス環境の構築に寄与する。

また、同社はサーバーラックメーカーとしても定評があり、理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピュータ「富岳」開発プロジェクトにおいても、「軽量・高耐震」のラック技術と高品質な製造技術を活かし、ラックの開発から生産までを同社が担当している。本展示会では、サーバー向け「環境配慮ラック」も参考出展。素材を塗装レス鋼板に変更することで、ラック生産時のCO2排出量を約36%低減(同社比較)。同ラックを100台生産した場合、塗装ありの通常製品と比べ、約3.2tのCO2排出量削減に貢献するという。

開発成果発表では、エッジAIのさらなる展開に向け「リザバーコンピューティング」と呼ばれるAIの高速学習に寄与する技術開発の紹介、オープンソースCPUである「RISC-V」のカスタム命令、電磁波によるワイヤレス給電技術の紹介も行われ、同社の技術力を示した。

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