リード獲得件数だけでは測れない展示会の出展メリット

先日、ドイツニュルンベルクで行われたコントロールやモーションドライブの専門展示会「SPS(Smart Production Solutions)」を見学した。ハノーバーメッセは何回か参加しているが、SPSは初めて。どんな展示会で、どんな技術が出ているのか、ハノーバーとの違いは何かなど行く前から非常にワクワクした。

結論を言えば、SPSはハノーバーメッセとは全然別物だった。主催者も開催都市も異なるので当たり前なのだが、ハノーバーメッセはオートメーション技術だけでなく、エネルギーや部品製造、デジタルエコシステムなども含んで産業全般をカバーするのに対し、SPSはもっと現場に近く、製造設備や機械をどう動かすか、どう設計するか、どう作るかなどにフォーカスしていた。

出展している企業はシーメンスをはじめとするドイツ企業はもちろん、ロックウェルやシュナイダーなどグローバルトップのFA企業も参加し、ハノーバーメッセと重なる企業が多かったが、より機器やアプリケーションなどの出品が多かった印象だ。

テーマが明確な分、会場も回りやすく、多くの未知・既知の製品と技術に触れることができ、出展企業や製品をもっと詳しく知りたくなった。

最近、展示会出展は苦労が多くて大変で金もかかり、WEBの方が良く効率的だから出展回数を減らすという企業が増えている。確かに展示会担当やマーケティング担当の業務効率やリード数を取るというミッション・目標を考えたら、出展しないという選択肢も分からなくはない。しかしながら、自社のブランド力を高め、同時に顧客を喜ばせ、満足させるという視点から考えると展示会出展は有益であり、チャンスにもなる。

例えば自分が贔屓にしているメーカーが展示会で大きなブースを出し、その製品や技術に人が多く集まっていたら、どういう心境になるだろうか?

その企業の製品を使っているという自分の選択肢は正しかったと自信と安心感、自己肯定感を覚え、その製品をリピートしようと考えるはずだ。使っていない場合なら、多くの人が集まって評価が高そうな製品だったら自分だって使いたいと思うだろう。

展示会でリアルにものを見せるということは、そうした感情を喚起する効果を産み、単にリード獲得件数だけでは表せない副次的効果がある。「あれいいな、あれ欲しい」それを作るのが展示会出展なのだ。

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