安川電機は大手産業用ロボットメーカーとして初めて、ロボット自身が周りの環境に適応しながら判断する自律性を持った次世代ロボット「MOTOMAN NEXTシリーズ」を販売開始した。
同製品は、いまだに自動化できていない領域の自動化に挑む新モデルとして、コントローラにロボット本体の制御機能に加えて「自律制御ユニット」を搭載する新規のアーキテクチャーを採用し、周囲状況の認識・判断処理、センサーから得られた周囲の位置情報を基に動作計画を立てて実行し、さらに作業状況を自身でチェックして状況にあった方法で作業を完結することができる。
本体は、コントローラからの指令に対する追従性を高めるため、自社開発した最適モータを採用し、モータとロボット技術を融合して基本性能が向上し、コントローラが指令した位置と実際の位置の差を最小化することでリアルとバーチャル空間を同一にしてデジタルツインを実現する。
また開発環境はオープンにし、顧客やパートナーは専門の知見や技術を活かしつつ、独自のロボットアプリケーションを構築することが可能となる。
可搬質量4kg、7kg、10kg、20kg、35kgの5機種を2023年12月から発売し、2024年以降7軸、協働ロボットなどラインアップを拡充する。
上席執行役員ロボット事業部長 岡久学氏は、「単なるピッキングやロボットハンドのルート生成の自律化ではなく、「作業完結」を目指した自律化ソリューションであり、自社の特長を活かせるようにパートナー企業と連携を深め、適応範囲を広げて社会課題解決に寄与していきたい。」と述べた。