2023年のオートメーション新聞も12月20日発行号が最後。
振り返ると今年も色々なチャレンジをした。制御盤業界にスポットを当てた連載「制御盤DXと設計・製造の効率化」、FA業界のトップランナーへのインタビュー企画「FAトップインタビュー」、識者の新連載として、某メーカーの現役の生産技術担当シマタケさんの「電気エンジニアのツボ出張版」、広島県の制御盤メーカー東洋電装の越智稔さんの「広島発 中小製造業がDXで変わるまで」などをスタートした。11月には初めてドイツの展示会SPSに参加した。2024年もこの勢いのまま、特に新規開拓を中心に色々と挑戦していく。
なぜ新規開拓にこだわるのか?「一人でも多くの製造業者に情報を届けたい」「会社を成長させてもっと高い給料を得られるようにしたい」と言いたいところだが、実際は「将来に対する危機感」でしかない。オートメーション新聞は日本語の新聞で、WEBや電子版も提供しているが事業の柱は有料の紙媒体だ。それに対しターゲットユーザーとなる日本の人口、製造業の労働人口は減る一方で、ペーパーレスで紙媒体は急減している。情報収集の手段としての新聞の存在感も薄れている。周りを見れば無料のWEB媒体が多数存在し、生成AIなども出てきた。さらに言うと、弊社は小規模零細の個人商店。同業のメディアは多くの記者を抱えて活動量も多い。どれだけ甘く見積もっても、弊社が置かれている状況は四面楚歌、崖っぷちであり、どんどんと新規顧客や領域を開拓して生き残りに向けてあがくしかないのだ。
日本の製造業も他人事ではない。国内市場は縮小傾向にあるなかで、海外や国内の新興企業などが次々とFA業界を目掛けて攻勢を強めている。自社よりも規模が大きく、資本力も人的リソースもあり、発信力も強い企業との競争環境ができてきている。いまは従来からの顧客が支えてくれているが、一寸先は闇。もっと言うと、コロナ禍やサプライチェーンの大混乱でこれまでの常識やルールが大きく変わった。DXやデジタルも変革に拍車をかけている。競合企業は虎視眈々と置き換えを狙い、漫然といままで通りでは行かない状況になっている。変化も失敗も悪ではない。挑戦しないことが悪なのだ。下期に回復が期待される2024年、ここが正念場だ。